バーボンとハイ・ボタン

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バーボンは、ウイスキーのひとつですよね。スコッチ・ウイスキーがあり、アイリッシュ・ウイスキーがあり、カナディアン・ウイスキーがあり、バーボン・ウイスキーがあります。
バーボンはもともと、ケンタッキーの地名で、「バーボン郡」に由来しています。バーボン郡はフランスのブルボン王朝と関係があって。
アメリカ独立戦争の時、ブルボン王朝が手助けをした。これに感謝する意味もあって、「バーボン郡」と命名。ブルボンをアメリカ訓みにすると、「バーボン」になるので。
このバーボン郡で造られるウイスキーが、「バーボン・ウイスキー」。バーボン・ウイスキーはひとたび頂きますと、癖になる。まあ、たいていの嗜好品はそうでありますが。
あのバーボン・ウイスキー特有の香りがつい恋しくなってしまいます。バーボン・ウイスキーのひとつに、「メイカーズ・マーク」があります。赤い封蝋が目印のボトル。昔は蠟で封をすることもあったのでしょう。あるいは「I ・W ・ハーパー」という銘柄もあります。
バーボン・ウイスキーと言って良いのか、どうか。「ジャック・ダニエル」。ジャック・ダニエルは「テネシー・ウイスキー」なんだそうですね。
では、バーボン・ウイスキーとケンタッキー・ウイスキー、どこが違うのか。両方とも蒸留過程は、ほとんど同じ。ただし、最後の濾過の仕方が、違う。「メイプル・チャコール」。つまり、カエデの木を焼いて炭を作り、その炭の層で原酒を濾す。だから味がまろやかになるのだ、と。
バーボンが出てくるミステリに、『探偵は壊された街で』があります。サラ・グランが、2011年に発表した物語。

「ヴィクの住まいはフレンチ・クォーターのはずれ近くの、バーボン・ストーリーの下手にあり………………」。

ヴィク・ウィリングは、地方検事補という設定。また『探偵は壊れた街で』には、こんな描写も。

「シレットは高い襟のスーツにネクタイを締めた一九一二年ごろの装い………………」。

ジャック・シレットは、フランスの探偵という設定。「高い襟のスーツ」とは、何でしょうか。
私は1912年ということから勝手に、ハイ・ボタンを想像したのですが。事実、1910年代のスーツは、ボタン位置が高かったのです。
時にはハイ・ボタンのスーツで、バーボンを傾けたいものですね。

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