ビールは、美味しいものですよねえ。ことに夏の、はじめのひと口のビールは、声を漏れるほどの旨さであります。
ところでビールはいつの時代からあったのでしょうか。一説に、人類の歴史とともに。昔むかし、大麦でスープを作って。残りをそのままにしていたら。やがて麦酒に似たものになっていた。そんな伝説もあるらしい。
少なくとも古代エジプトには、ビールがあったようですね。古代エジプトのビールは、時にストローに似た細い管で飲むこともあったようです。麦の粒が残っていて、それをよけるために。
もちろん大きな、浅い杯で飲むことも。宴の席で、召使にビールを注がせている貴婦人の姿も、壁画に遺されています。貴婦人といえども、ビールといえども、酔うこともあったでしょう。ビールで酔った貴婦人には、蓮の花を持たせた。蓮の花を手に持つと、酔いがはやくさめrと考えられていたのでしょうか。
今のビールの大きな特徴は、ホップでしょう。ビールの飲んだ時の「うまい!」の何割かは、ホップによるものではないでしょうか。ビールにホップを加えるようになったのは、中世以降。それ以前にはいろんなハーブが用いられたという。たとえば、カーネーションの花弁だとか。
北原白秋はビールに酔うと、花壜に飾ってあるカーネーションを食べる癖があったという。
ビールが出てくる小説に、『浮き世の憂い』があります。D・H・ロレンスが、1917年に発表した短篇。
「きれいな古いビールのジョッキ………………」。
D・H・ロレンスは、ビールをジョッキで飲んだのかも知れませんね。D・H・ロレンスが、1929年に発表した小説に、『青いモカシン靴』があります。
「現地のアメリカ・インディアンから青いモカシン
ー
青いビーズ張りのモカシン靴
ー
を買った。」
これは、リーナ・マクラウドの想い出。モカシンの甲にはよくビーズ刺繍があしらわれますよね。ブルーのモカシンにブルーの刺繍が入っていたのでしょう。
凝ったビーズ刺繍のモカシンを履いて、美味しいビールを飲みに行こうではありませんか。