救急車とキャヴァルリー・トゥイル

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救急車は、患者を病院に運ぶ車のことですよね。消防車や警察車と同じように、緊急車両であります。救急車と競争しようという人は誰もいません。最優先車両であります。
ところで救急車はいつ頃からあったのか。「救急車」という考えそのものは、1895年の巴里にあったという。「パナール・エ・ルバソール」という会社が救急車を作っています。ダイムラーのエンジンを使っての救急車を。
フランス陸軍が実際に「救急車」を採用したのは、1900年7月のこと。どうも最新の救急車は軍隊と関係しているらしい。この救急車の前身が、「救急馬車」。1792年のことです。まだ自動車のない時代ですから、馬車。
フランスの、ドミニック・ジャン・ラレイという人が提案。ドミニック・ジャン・ラレイは、ナポレオン・ボナパルトの侍医だったお方。ドミニック・ジャン・ラレイは、およそこんなことを言った。
「スプリング付きの馬車を」
ナポレオンの時代の馬車はスプリングがなかった。スプリングのない馬車で怪我人を運ぶと、運んでいる間に具合が悪くなる。そこで、「スプリングを」。このドミニック・ジャン・ラレイの意見は採用されて、「救急馬車」が。救急馬車には医師が同乗していて、これを馬が挽いたわけです。この「救急馬車」は、1796年のイタリア遠征にも付き添っていたそうですね。
救急車が出てくるミステリに、『覚悟はいいかね、ボンド君』があります。1987年に、ジョン・ガードナーが発表した「007物」です。

「救急車は上下左右に揺れながら走り…………。」

もちろんこの救急車にボンドが乗せられているのですが。『覚悟はいいかね、ボンド君』には、こんな描写も出てきます。

「三人目の男は体にぴったりの綾織りの騎兵ズボンと…………。」

「三人目の男」とは、コーリャ・チェルノフ将軍という設定になっています。
「綾織りの騎兵ズボン」は、たぶんキャヴァルリー・トゥイルのことかと思われます。綾目のはっきりした丈夫な生地。もともとはウール地ですが、コットンもあります。昔は、乗馬ズボンにふさわしい生地とされたものです。

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