マティスと真っ赤

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マティスで、画家でといえば、アンリ・マティスですよね。マティスが多くの作品を遺しているのは、申すまでもありません。
その中のひとつに、教会があります。南フランス、ヴァンスにある「ロザリオ礼拝堂」です。ヴァンス自体、古い洞窟を想わせる不思議な町ですが、ここに美事な教会があります。
一歩なかに入ると、教会というよりも美術館の印象が。そのほとんどをアンリ・マティスが手がけているので。「マティスの世界の教会」、そう言ったほうがはやいでしょう。
1947年ころ、マティスは教会の装飾をはじめ、1951年に完成させています。マティスは、1954年に世を去っていますから、まさに「晩年の作」といえるでしょう。
マティスと親友だった画家に、ルオーがいます。ジョルジュ・ルオー。
ルオーは、1946年11月19日ころ、マティスに手紙を書いています。それも長文の手紙を。

「 黒は色の王者である
ルノワールは ー 自由な精神の持ち主らしく ー こう語っていたとか。」

このようにはじまるかなり長い手紙。その大半は、「黒」についての文章になっています。ルオーも、マティスも、永年、「黒」について深く考えていたことを示す一例でもあるでしょう。
マティスの友人のひとりに、エヴェヌプールという画家がいました。アンリ・エヴェヌプール。1872年、ニースで生まれ、1899年に巴里で短い生涯を終えています。
エヴェヌプールは人物画を得意とした画家で。たとえば晩年の1899年にも、『パリのスペイン人』を描いています。黒いインヴァネスを羽織った紳士の姿。インヴァネスの裏地は、ウールの格子柄になっています。
1899年ころの、モオドの貴重な資料でもあります。
アンリ・エヴェヌプールは、1895年には『赤い服の男』を描いています。文字通り、真っ赤なスーツの男を。
モデルになったのは、ポオル・ベニエール。アンリ・エヴェヌプールの友人だった洒落者。『赤い服の男』は、ほぼ等身大。
真っ赤なスーツ。ちょっと私には無理でしょう。まあ、好みのスーツで、マティスの画集を探しに行くとしましょうか。

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