カレーニナで、小説でといえば、『アンナ・カレーニナ』でしょうか。ロシアの文豪、レフ・トルストイの傑作。
『アンナ・カレーニナ』の単行本発行は、1877年。それ以降、何度も映画化されてもいます。『アンナ・カレーニナ』は、少なくとも、ロシア三大小説のひとつでしょう。いや、世界十大小説のひとつに入れたいくらいのものです。「これぞ小説!」と絶賛したいものであります。
アンナ・カレーニナは、もちろん女主人公の名前でも。アンナ・カレーニナはただお美しいだけでなく、男心を迷わせずにはいられない女として描かれています。
さて、ここに登場するのが、クラムスコイ。イワン・クラムスコイ。ロシアの肖像画家。
イワン・クラムスコイは、1887年3月24日、ロシアに生まれています。その、クラムスコイが名作『アンナ・カレーニナ』を熟読したのは、まず間違いないでしょう。
そして、クラムスコイは、1883年に『見知らぬ女』を描いているのです。『見知らぬ女』は、クラムスコイの代表作。
黒い服装に包まれて、場所の上に、悠然と座った女の姿が、『見知らぬ女』の絵なのです。
この『見知らぬ女』こそ、アンナ・カレーニナを描いたもの、と信じられています。もちろん、クラムスコイは絵のモデルについては、ひと言ももらしてはいません。だからこそ、「見知らぬ女」なのでしょう。でも、アンナ・カレーニナ = 『見知らぬ女』説は、消えることがありません。私もまたそれを信じているのですが。
トルストイの『アンナ・カレーニナ』の中に、こんな一節が出てきます。
「コードは晴れのレースに出るというので、よそ行きのなりをしていた。ボタンをびっしりかけた黒のフロック。頬をつき上げるほど固く糊をきかせたカラー。山高帽。……………………。」
これは騎手のコードが馬を走らせる場面。
ハイ・カラーであるがゆえにのハード・カラーなのでしょう。「頬をつき上げる」ほどでなくてもいいのですが。
一度、ハイ・カラーのシャツで、私なりのアンナ・カレーニナを探しに行きたいものです。