ベッドと別珍

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ベッドは、寝台のことですよね。夜睡るときに使う寝具。
硬いベッドが好きな人もいれば、柔らかいベッドが好きな人もいるのでしょう。
むかしは蒲団で寝たものですが、今はベッドを使う人が多いのかも知れませんね。
異国の地で、はじめてベッドを目にしたのは、久米邦武でしょうか。久米邦武は、明治四年に、海外へ。まずはサンフランシスコに着いています。
その折の紀行文が、『米歐回覧実記』なのです。

「大抵木製の低屋にて、両側に微斜なる床を張り、此に寝床をも置す。」

と、紹介しています。この「寝床」の脇に「ベッド」のルビがふってあります。久米邦武は、おそらく「寝床」で睡眠をとったことでしょうね。
ベッドから連想する歌に、『ベッドで煙草を吸わないでね』。1966年のヒット曲。沢たまきの歌。後に、松尾和子なども歌っているのですが。この歌詞の中に。

🎶 甘いシャネルのため息が………………

と、出てきます。もしかすれば「シャネルの五番」でしょうか。作詞は岩谷時子。
歌謡曲に歌われた「シャネル」のわりあい早い例ではないでしょうか。
ベッドが出てくるミステリに、『スパイの妻』があります。1890年に、レジナルド・ヒルが発表した物語。

「六時までベッドに横になり、うとうとしていた。そのあと起き、シャワーを浴びて七時の夕食におりていった。」

これは、旅行中の、モリー・キートリーという女性の様子。
また、『スパイの妻』には、こんな描写も。

「グレイのタートル・ネックのセーター上にしゃれた感じの青い別珍の上着を着ている。」

これは、フレディ・ウォレスという新聞記者の着こなし。
別珍は昔、「唐天」とも言ったらしい。要するに、ヴェルヴェティーンのこと。絹のヴェルヴェットに対して、綿のヴェルヴェット。
日本での別珍も古く、冬の足袋によく使われたものなんだそうですね。
黒い別珍のジャケットは、ぜひ一度着てみたいものです。

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