中村八大とナプキン

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中村八大は、日本の作曲家ですよね。
『上を向いて歩こう』は、世界的に好評だった歌であります。

🎶 上を向いて歩こう…………。

あの作曲家が、中村八大。作詞が、永 六輔。歌手が、坂本 九。昭和三十六年のことであります。
昔、永 六輔がハリウッドに旅した時。有名なレストラン「ブラウン・ダービー」で食事。食事中のBGMとして、たまたま『スキヤキ・ソング』が流れて。食事相手の俳優に。
「ああ、これボクの作詞です!」と言ったら。とても、褒められて。

「君の冗句、洒落てるねえ!」

「六八コンビ」。永 六輔が作詞。中村八大が作曲。これが1960年代に売れに売れたので、そんな呼び方が流行ったものです。
「六八コンビ」そもそものはじまりは、昭和三十四年に遡るんだそうですね。
中村八大は、昭和六年一月二十日に、生まれています。昭和十六年に、青島から東京に、音楽の勉強に。ちょうど十歳の時。
昭和三十年に、早稲田を中退。ひたすら音楽の道を。主に、ジャズ。でも、ジャズではなかなか難しくて。
ある日、先輩の、渡邊 晋のところに相談に。渡邊 晋は言った。
「いいところに来た。明日の朝までに、ロカビリーの曲を十曲作ってこい!」
中村八大は、ロカビリーに興味はなく、作詞も無理。
ぼんやりと渡邊 晋の事務所を出ようとして。ばったり、永 六輔に。もとより初対面。
「君、作詞できる?」
「作詞は、やったことありません!」
「じゃあ、やってみてよ。」
そのまま中村八大は、永 六輔をアパートに連れて、徹夜で、十曲。
中村八大は勝手に作曲。永 六輔は勝手に作詞。出来上がったものを、適当に組合せて、十曲。
そんな中のひとつが、『黒い花びら』。

🎶 黒い花びら 静かに散った…………………。

これが1959年に、拍手喝采。第一回「レコード大賞」に選ばれています。

「………ラジオから流れてきた「黒い花びら」を耳にしたとき、これはいったい誰の歌なのだろうと訝った。歌唱力、声質、曲想、歌詞のすべが、新人の歌う曲のものとは思われず……………………。」

村松友視著『黒い花びら』には、そのように出ています。
つまり、当時の村松友視にとっても『黒い花びら』は、衝撃だったのでしょう。
これは作曲の中村八大がエライのか。作詞の永 六輔がエライのか。歌手の水原 弘がエライのか。

「われわれは氏の霊妙なピアノ演奏を、かくて、ただ、たのしんできくことができるのである。」

三島由紀夫は、昭和五十年に、『中村八大氏』と題する随筆の中で、そのように書いています。
この随筆の冒頭には。

「中村八大氏はジャズ・ピアノの天才を以てきこえてゐる。」

小説の天才、三島由紀夫はそのように書いているのですが。

ナプキンの 角するどしや 冬薔薇

昭和十七年に、三島由紀夫はそんな一句を詠んでいます。
昭和十七年二月十六日に、東 健様宛の手紙に紹介されているものです。
ナプキン n apk in は、ラテン語の「マッパ」 m app a から出た言葉なんだそうですね。
そういえば、「マップ」m ap も「マッパ」から。食卓の布に略図を描くことがあったからでしょう。
スコットランドに行きますと「ナプキン」はハンカチの意味にもなります。
どなたかハンカチとナプキンの中間くらいの大きさの麻布を作って頂けませんでしょうか。何枚か用意しておけば、昔の懐紙のように使えるでしょうから。

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