オックスフォードとオックスフォード・ブルー

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オックスフォードは、イギリスの町の名前ですよね。オックスフォードには、テムズ川が流れ、「オックスフォード大学」があります。
オックスフォード大学には「オックスフォード大学出版局」があります。そしてオックスフォード大学出版局が出しているのが、『オックスフォード・イングリッシュ・ディクショナリイ』なのです。略して、『OED』。世界最大の英語辞典とされるのは、いうまでもないでしょう。
つまり「オックスフォード」は町の名前であり、大学の名前であり、出版局の名前であり、英語辞典の名前でもある、ということになります。
イギリスの推理作家、コリン・デクスターが、1991年に発表したミステリに、『消えた装身具』があります。この中に、「オックスフォード」の言葉が、95回出てくるのです。
ひとつの物語に、「オックスフォード」が95回。これは少し多いのではないでしょうか。もちろんオックスフォードの町が背景にはなっているのですが、それにしても、95回とは。
「オックスフォード」のもっとも多く出てくるミステリとして、『ギネスブック』に申請したいくらいのものであります。

「オックスフォードではかつて、そしてときには今でも、ヌードの水浴が行われ、レディがボートで通るときは、お互いの困惑の種となった。」

そんな文章も出てきます。いうまでもなく、テムズ川でのことでありましょう。
これは、マリリン・ヤーダン著『オックスフォード、住民と大学人』に出てくる一節とのこと。この文章もまた、『OED』に収録されているものと、思われます。
コリン・デクスターの『消えた装身具』には、こんな描写も出てきます。

「テムズ川は、灰色とも、白とも、茶色とも、緑とも、黄色とも見えるかも知れない。 ー しかしみんなが絵筆を染めているオックスフォード・ブルーや、ケンブリッジ・ブルーや、コバルト・ブルーや、ウルトラマリンではけっしてないからだ。」

そうおっしゃる著者の、コリン・デクスターは、「ケンブリッジ大学」の卒業生なのですが。
いうまでもないことですが。オックスフォード・ブルーは、ダーク・ブルー。ケンブリッジ・ブルーは、ライト・ブルー。
それぞれの在校生と、卒業生によって、愛用の色が決まっているのですね。
なにか赤いスェーターを着て、オックスフォードの町を歩くといたしましょうか。

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