ジェムソンとシェパード・チェック

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ジェムソンは、アイリッシュ・ウイスキイの銘柄ですよね。というよりも、アイリッシュ・ウイスキイの代表的な銘柄というべきでしょう。
ジェムソンは、J ams on と書いて、「ジェムソン」。ジョン・ジェムソンがはじめたので、その名前があります。私なんぞはJ ams on とあれば、ジェイムソンと訓んでしまいそうですが、アイリッシュ・ウイスキイの銘柄としては、「ジェムソン」なんだそうですね。
ジェムソン・アイリッシュ・ウイスキイと関係があるのが、マルコーニ。イタリアの科学者、グリエルモ・マルコーニ。「無線電信」の発明者。1909年には、ノーベル物理学賞を受けています。
マルコーニのお母さんが、アイルランドのお生まれ。そしておじいさんが、ジョン・ジェムソン。つまり、グリエルモ・マルコーニからみて、ひいおじいさんになるわけですね。
マルコーニはイタリアの裕福な家庭に育っていますが、それでもジョン・ジェムソンはなにかと曽孫の面倒をみたという。
マルコーニの無線電信の裏には、ジェムソンの力があったのかも知れませんが。
ジェムソンが出てくるミステリに、『会員制殺人クラブ』があります。グレゴリー・マクドナルドが、1984年に発表した物語。

「≪スリー・ベルズ・オヴ・ベリンハム≫ にちょっと寄って行こうか。きみにジェイムスンのウィスキーを飲ましてやろう。」

これは物語の主人公で、ボストン警察の、フランシス・フリン警視が、部下のコッキーに対しての科白。難しい事件を解決した後なので。
と同時に、フランシス・フリンが、アイリッシュ系ではないかと、想像させる個所でもあるのですが。
アイルランド人、もしくはアイリッシュ系の人にとっての「ジェムソン」は、天の美禄ともいうべき存在であるらしい。
また、『会員制殺人クラブ』には、こんな描写も出てきます。

「クリフォードは、千鳥格子のジャケットを着たメンバーのほうにビール・グラスを傾けた。」

アーネスト・クリフォードは、判事という設定。「千鳥格子のジャケットを着たメンバー」とは、実業家の、トマス・アシュリーのこと。
「千鳥格子」は、むろん日本語。英語なら、シェパード・チェック。
sh eph erd ch ek 。猟犬の歯が並んでいる様子に喩えた柄です。
これがフランスに参りますと。「ピエド・プル」p i ed p o u l e 。
「雌鶏の足跡」。
シェパード・チェックの上着で、ジェムソンのウイスキイというのも、乙ではございませんか。

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