パルシファルは、ワーグナーの歌劇ですよね。P ars if al と書いて、「パルジファル」と訓みます。ワーグナー、最晩年の作曲。
『パルジファル』の初演は、1882年7月26日。「バイロイト祝祭劇場」で。
「パルジファル」の役を演じたのは、ヘルマン・ヴィンケルマン。また「花の乙女」のひとりに、キャリー・プリングルも出演。キャリー・プリングルは英国人女優。ワーグナー自身がお気に入りで、採用されたという。
『パルジファル』の公演を終えたワーグナーは、静養を兼ねてヴェネツィアに旅しています。1883年9月14日に。
妻のコジマはもちろん、召使いや、料理人の「ジューコフスキー」などと一緒に。
ヴェネツィアでは、「ヴェンドラミン館」の三階に滞在。
1883年2月6日。ワーグナーはカーニヴァル見物に出かけています。カーニヴァルから、「ヴェンドラミン館」に戻ったワーグナーは、守衛に明るく、「やあ、カーニヴァルも終ったねえ」と話かけたという。
1883年2月13日。昼過ぎ。ワーグナーは仕事中に、心臓発作。これがワーグナー永遠の眠りとなったのです。六十九歳でありました。
『パルジファル』が出てくる小説に、『黒死館殺人事件』があります。小栗虫太郎が、昭和十年に発表した推理小説。
「………これはワグネルの『パルシファル』を見よ ー と云っているのですからね」
小栗虫太郎は、「ワグネル」、「パルシファル」と書いているのですが。
小栗虫太郎の推理小説には、『完全犯罪』もありまして。これを読んでいますと、こんな描写が出てきます。
「その男は、無地の薄い藍色の西洋寝衣を着て居りました。」
小栗虫太郎は、「西洋寝衣」と書いて、「パジヤマ」のルビを振っています。
『完全犯罪』は、昭和八年の発表。「パジャマ」の割合はやい例ではないでしょうか。
パジャマ p aj am as は1800年頃からの英語なんだとか。
インド、ヒンディ語の「パエジャマ」が語源とのことです。その意味は、「足の衣裳」。
どなたか絹のpを仕立てて頂けませんでしょうか。