カルロとカウボーイ・ハット

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カルロは、男の子の名前ですよね。C arl o と書いて、「カルロ」と訓むんだそうですが。
カルロはなんとなくイタリア人に多い印象があります。
たとえば、カルロ・ポンティ。カルロ・ポンティは、イタリアの映画プロデューサー。これも一例ですが、『昨日・今日・明日』。1963年のイタリア映画。オムニバス映画でしたね。ソファイア・ローレンと、マルチェロ・マストロヤンニの共演。
イタリアで、カルロで、作家でということになりますと、「カルロ・コッローディ」でしょうね。カルロ・コッローディは、『ピノッキオ』の原作者。子供の頃、『ピノッキオの冒険』をお読みになった記憶はおありでしょう。あの『ピノッキオ』を書いたのが、カルロ・コッローディなのです。
イタリアのホテルには、聖書と並んで『ピノッキオの冒険』を揃えておくほどに、深く愛されているロングセラーであります。

「………ピノッキオを原文で読んでみたい、といったら、そのイタリア人は、まだまだ、きみのイタリア語では無理だよ、とあきれ顔をした。」

随筆家の、須賀敦子は、『ピノッキオたち』の中に、そのように書いています。でも、そのイタリア人は親切に『ピノッキオの冒険』を手渡してくれたのですが、若き日の須賀敦子は、「歯が立たなかった」という。
『ピノッキオの冒険』の刊行は、1883年2月のこと。カルロ・コッローディが、五十七歳の時でありました。

「酒蔵には、甘くておいしいロゾーリオ酒やアルケルメスさけを入れておく。図書室もいるな。」

大岡 玲の日本語訳にはそのように出ています。これはピノッキオが空想している場面。
文中の「ロゾーリオ酒」は、薔薇の花弁を砂糖で漬け込んだリキュールのことなんだそうです。

カルロが出てくる小説に、『カルちゃん、カルロ、カルちゃん』があります。これはイタリアの作家、ジャンニ・ロダーリが、1973年に発表した短篇。

「そこで、カルロはクロアチア語で話してみた。むろん、テレパシーでだ。」

ここでの「カルロ」は赤ちゃんという設定になっているのですが。
ジャンニ・ロダーリの短篇には、『ピアノ・ビルと消えたかかし』もあります。「ピアノ・ビル」は主人公の仇名。ピアノを連れて旅するカウボーイなので、「ピアノ・ビル」。二頭の馬で、ひとり旅。一頭の馬にはピアノを乗せているので。目的地に着いたら、ピアノを弾くために。
『ピアノ・ビルと消えたかかし』には、こんな描写も出てきます。

「………さらに二丁を腰に差し、5丁目はカウボーイハットのなかに忍ばせて。」

これは、拳銃の話。カウボーイがカウボーイ・ハットをかぶっているのは、当たり前でもあるでしょう。
カウボーイ・ハットはたいてい「カウボーイ・ハットと呼ばれます。
時に、「テンガロン・ハット」とも。これはもともと「テン・ガロンズ」から来ているのではないか、との説があります。
「ガロン」g al on はフランス語で、「飾り紐」のこと。飾り紐が十本ほど巻けるほどクラウンが高いと、自慢したのがはじまりだとか。
カウボーイ・ハットに限らず、帽子のヤマは高いほど断熱効果のあるものです。
どなたか極上のフェルトで、ヤマの高いカウボーイ・ハットを作って頂けませんでしょうか。

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