フェミニストとブレザーコート

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フェミニストは、女性に優しい男のことですよね。私自身はフェミニストでありたいなあと、思っているだけの人間ですが。
「フェミニスト」feminist は、もともと「男女同権」の意味があるんだとか。男女同権を少し広く考えますと、「女に親切である男」になるのでしょうか。

「強くなくては生きてはいけない。優しくなくては、生きている価値がない。」

これは『プレイバック』での、フィリップ・マーロウの科白。
1958年に、レイモンド・チャンドラーが発表した物語が、『プレイバック』。
夜が明けてから、女がマーロウに訊く。
「あなたみたいな人が、どうしてそんなに優しくなれるの?」

これに対するマーロウの返事が。
「強くなくては生きてはいけない。優しくなくては生きている価値がない。」なんですね。
レイモンド・チャンドラーの中でも、特に名文句とされるものです。

フェミニストが出てくる小説に、『オリンポスの果實』があります。
昭和十五年に、田中英光が発表した創作。

「………殊にフェミニストの坂本さんが、やはり、五六人のお嬢さんたちに取り囲まれていましたが………」

これは1932年のロサンゼルス・オリンピックでの様子として。田中英光は、ボート競技の選手として、ロサンゼス・オリンピックに出場しています。
「坂本さん」とは、同じボート競技の選手なんですね。
この田中英光の『オリンポスの果實』を読んでおりますと、何度もユニフォームとしてのブレイザーが出てきます。

「明朝、出発のときは、ブレザァコオトを着て颯爽と出てくるように言って下さい。」

田中英光は、必ず「ブレザァコオト」と書いています。
つまり、1932年頃の田中英光たちは、「ブレザァコオト」と、呼んでいたものと思われます。
今でも、ブレザーコートの言い方はあるでしょう。この「ブレザーコート」のはじまりは、田中英光の『オリンポスの果實』にあるのではないでしょうか。
どなたか1930年代のブレザーコートを再現して頂けませんでしょうか。

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