フラノとブレイシーズ

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フラノは、フランネルのことですよね。日本語では、「ネル」とも。
flannel と書いて、「フランネル」訓みます。英語としての「フランネル」は、1300年頃から用いられているらしい。
古いウエイルズ語の「グランネン」gwla n e n から出ているとの説があります。その意味は、「ウールの一種」だったという。
フランネルのなによりの特徴は、縮絨にあります。一度織りあげた生地を縮めること。縮めて、さらに縮めると、フランネルの完成。
昔からいろんなところでフランネルが愛用されてきたのも、結局は縮絨があってのことでしょう。
フラノは、フランネルの後半分を省略した言葉。ネルは、フランネルの前半分を省略しての表現。もともとは同じものだったのです。
日本語ならではの言い方に、「本ネル」があります。ただ単に「ネル」といえば、綿ネルと解釈されそうな時、「本ネル」。本ネルは、ウール・フランネルのことです。
よく「ネル・ドリップ」と言いますよね。珈琲を淹れるとき、コットン・フランネルを使うからであります。
綿ネルの毳がある方を内側にするのが、コツなんだそうですが。

フランネルが出てくるミステリに、『誰よりも狙われた男』があります。2008年に、英国の作家、ジョン・ル・カレが発表した長篇。

「………グレーのフランネルのズボン………」

これは物語の主人公、トミー・ブルーの休日着こなしとして。
トミー・ブルーは、「ブルー・フレール銀行」の経営者という設定になっています。日常はどんな服装なのか。

「………ブルーのシャツにズボン吊りという格好だった。」

上のスーツは、サヴィル・ロウの老舗。曾祖父の時代から変わっていないテイラーで。
トミー・ブルーは、オフィスの自分の部屋では、ズボン吊り姿になっているわけですね。
イギリスでは、ふつう「ブレイシーズ」と言います。左右一対となって留めるので、ブレイシーズ。
トラウザーズを、まっすぐ、正しく穿くにはブレイシーズが最良の友です。
どなたか老舗テイラーのスーツにふさわしいブレイシーズを作って頂けませんでしょうか。

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