フールとフランネルズ

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フールは、おバカさんのことですよね。foolと書いて、「フール」と読みます。
英語としての「フール」は、1200年頃から用いられているんだとか。
でも、中には賢いフールもありましてね。中世以来の「道化師」。これもまた、「フール」と言ったんだそうです。
宮中や上流階級の屋敷に雇われていまして。滑稽なことを言ったりして、人々を笑わせるのが、商売。
日本に喩えるなら、たいこもちでしょうか。
中世の道化師、フールは、すぐにそれと分かるための専用の帽子があった。ゆったりと、深い帽子。それが、「フールズ・キャップ」なのです。

英国の1700年頃から使われている紙の大きさに、「フールズ・キャップ」があります。17インチ×13インチの大きさ。
これがどうして「フールズ・キャップ」なのか。その昔、この大きさの紙の隅に、フールズ・キャップの姿が、透かしとして入っていたから。

まさかフールというわけではありませんが。バートラム・ウースター。英国の青年貴族。通称、「バーティ」。ちょっと軽いところあるという設定になっています。
そしてバーティに遣える賢明なる執事が、「ジーヴス」。もちろん、P・G・ウッドハウスのユウモア小説。
ウッドハウス亡き後も、後継者によって書継がれていて。たとえば、セバスチャン・フォークス著『ジーブスと婚礼の鐘があります。
『ジーブスと婚礼の鐘』を読んでおりますと、こんな描写が出てきます。

「もしまだ余裕があれば、クリケット用のフランネルのズボンを押し込んでおいたほうがよさそうな気もするんだが。念のため。」

これは旅行のため、荷造りしている場面での、バーティの科白。
賢明なるジーブスはご主人に言われるはるか前に、それを入れているのですよね。
フランネルズ。ホワイト・フランネルズは、クリケットに欠かせないものですから。
英語の「フランネル」は、1300年頃からの英語。「フール」ともそれほどかわらない言葉なんですね。
どなたか毎日でも穿きたくナルフランネルズを仕立てて頂けませんでしょうか。

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