ベッドとベージュ

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ベッドは、寝台のことですよね。寝床とも言います。
昔の日本人はたいてい蒲団で眠ったものです。少なくとも昭和三十年代までは、ベッドよりも蒲団のほうが多かったのではないでしょうか。
そして昭和四十年代以降、多くベッドが普及するようになったという印象があります。
あくまでも、一般論としては。豊臣秀吉は、蒲団ではなく、寝台で、つまりベッドでおやすみになったと、伝えられています。
天正十四年に、大友宗麟は、大坂城をくまなく見学しているのです。1586年4月5日に。

「………御寝所之台、長サ七尺程、横四尺程もこれあるべく候………」

大友宗麟の『謁見記』には、そのように出ています。
また、「高サ一尺四、五寸程」。
そうも書いています空、ベッド意外の何物でもなかったでしょう。そして大友宗麟がベッドではなかったことも、想像させるものではないでしょうか。

「………「ベッド」に眠り居たるお春をユリ起こし………」

1888年に、末広鉄腸が発表した小説『花間鶯』にそのような一節があります。これは横濱から出た客船内での様子として。
日本の小説にあらわれた「ベッド」としては、わりあい早い例かも知れませんが。

ベッドが出てくるミステリに、『凍てついた夜』があります。1994年に、リンダ・ラ・プラントが発表した物語。

「ロージーはロレインのベッドを整えはじめた。」

ロージー・ハーストは、ロレイン・ペイジのルームメイトという設定になっています。
また、『凍てついた夜』には、こんな描写も出てくるのです。

「ジャンクローは白いシャツの上に薄茶色のカシミアのジャケットを着てネクタイを締めていたが………」

スティーヴン・ジャンクローは、ブラッド・ソーバーンの兄ということになっています。
「薄茶色」。たぶんベージュではないでしょうか。男にも女にも、ベージュはおしゃれな、上品な感じのものです。オフ・ホワイトに近いベージュは貴重品とも言えるでしょう。
ベージュに、白や淡いグレイはよく合うものです。
どなたかベージュのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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