大田黒元雄とおしゃれ

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大田黒元雄は、音楽評論家ですよね。一説に、日本での「音楽評論家」の第一号であるとも考えられています。
さらには、かのドビュッシーははじめて日本に紹介したのは、大田黒元雄。そんなふうににも考えられているようですね。

「ドビュッシイは細心の注意を以て茶の支度をしながら、戯談混りにいろいろな藝術上の意見を述べ………」

1931年に、大田黒元雄は、『ドビュッシイとサティ』と題する文章の中に、そのように書いています。
当時の若い藝術家たちがドビュッシイの自宅を訪ねると、歓待してくれたことを。その中のひとりに、エリック・サティもいたのだ、と。
大田黒元雄著『ドビュッシイとサティ』は、1931年の『紀伊國屋月報』七月号に発表されたものです。

「恩師の大田黒元雄先生と二人で、よくこの歌のことを話したり、歌ったり、調べたりした昔を思い出す。」

團伊玖磨の随筆集『九つの空』に、そのような一節が出てきます。
ここでの「この歌」とは、スコットランドの民謡『ロッホ・ローモンド』のことなのですが。

大田黒元雄は、私にとっては、「おしゃれの先生」でもあります。戦前の日本人の中でベストドレッサーの代表だった人物。また、『ハイカラ紳士譚』などの著者でもあります。
大田黒元雄の本を読む限り、おしゃれとは「基本原則」を知ることにあることが、よく分かります。
「おしゃれでありたいなあ」と思ったなら、一度、大田黒元雄のことを思い出しても良いのではないでしょうか。

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