マネージャーとマント

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マネージャーは、代理人のことですよね。ある人になり代わって、交渉事を引きうける役目。
役者にも、藝人にも、マネージャーは欠かせません。
知る人ぞ知る名マネージャーに、岩谷時子がいます。私は岩谷時子について、大橋鎮子著の随筆『岩谷時子さん』を読んで、知ることができました。
大橋鎮子は、岩谷時子にお願いして、数時間インタヴュウして、その結果まとめたのが、『岩谷時子さん』なのです。今は、大橋鎮子著『すてきなあなたに』に収められています。

🎶 あなたの 燃える手で………

ピアフの『愛の讃歌』を日本語に翻訳したのも、岩谷時子。訳詩家であり、作詩家でもあったお方です。岩谷時子は、「作詩家」の表現がお好きだったようなので。
岩谷時子は、作詩家の一方、越路吹雪のマネージャーでありました。
岩谷時子と越路吹雪とが出会ったのは、昭和十四年頃のこと。岩谷時子は『宝塚』の文芸部。越路吹雪は『宝塚』の生徒として。それ以来のおつきあいですから、半世紀にも亘るものでしょう。

「越路吹雪さんの生涯にわたっての誠実な友であり、報酬なしのマネージャーだった方です。」

大橋鎮子は、『岩谷時子さん』の中で、そのように書いています。
「報酬なしのマネージャー」。言うは易く行うは難しであります。
物事の順序だけを申しますと。岩谷時子は「報酬なしのマネージャー」であるために、訳詩、作詩に力を注いだのではないでしょうか。

大橋鎮子著の『すてきなあなたに』には、マントの話も出てきます。
大橋鎮子が先輩の編集者だったお方が、船でサンフランシスコに行くことになって。船の甲板はさぞ寒かろうと、マントを作る話。

「私のマントは、とても簡単です。布の半分をきちんと折り、片方の角を中心にして、幅いっぱいに円を描きます。つまり四分の一の円形になります。」

そんなふうにして、マントを作り、先輩に差しあげたところ、大いに感謝されたとも、書いています。
どなたか手縫いのマントを作って頂けませんでしょうか。

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