花嫁とハンケチ

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花嫁はまだ嫁いだばかりの女の人ですよね。男の場合は、花婿。
花嫁は依然現役の言葉ですが、「花嫁学校」はもう死語に近いのではないでしょうか。花嫁学校。昔はあったみたいですね。
お茶やお琴、それに活け花など。もちろん料理や裁縫なども。家庭生活に入ってから、不自由がないように。時代といえばそれまでですが。今の花嫁はいつ新婚生活がはじまっても困らないたくましさを備えていますから。

🎶 瀬戸は日暮れて 大波小波………

1972年のヒット曲、『瀬戸の花嫁』はそんな歌い出しだった記憶があります。歌ったのは、小柳ルミ子。
花嫁が出てくる歌はまだまだありますよね。

🎶 金らんどんすの 帯しめながら 花嫁御寮は なぜ泣くのだろう………

これはもちろん、「金蘭緞子」ですから、凝った衣裳というになります。作詞は、蕗谷虹児。
花嫁が出てくる小説に、『マカオの露台』があります。

「花嫁衣裳は貸衣裳ですましたが、服は香港でと言われた通り有り合わせで………」

昭和三十六年に、吉屋信子が発表した短篇。この場合の花嫁は、「文子」。
文子はマカオで医院を開いている新郎と結婚したので。結婚式の翌日、マカオに向かう設定になっています。
吉屋信子の随筆集に、『白いハンケチ』がありまして。昭和三十二年の刊行。これは『白いハンケチ』と題する随筆が収められているので、その総題となっているのですね。

「その二枚のハンケチは、さながら汀女さんを象徴したように純白に、真四角にきちんと、ゆがみなく秋陽さすはり戸に張られてあった。」

これは吉屋信子が、中村汀女と旅する話。同じ宿の隣同士の部屋で。
中村汀女は、洗ったハンケチをガラス戸に張ってあって。それが汀女の人柄を偲ばせたと、書いているのです。
吉屋信子は、何度も「ハンケチ」とお書きになっているのですが。
洗ったハンケチをガラス窓などに張っておくと、次の日にアイロンが要りません。鏡の上でも同じことです。
大判の白麻のハンケチをどなたか作って頂けませんでしょうか。

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