キャバレエと絹シャツ

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キャバレエは夜の遊び場のことですよね。cabret と書いて、「キャバレエ」と訓みます。これはラテン語の「カーヴェ」cave
と関係があるのではないかと考えられているらしい。「地下室」のこと。もし、そうだとすると、ワインのカーヴとキャバレエは親戚ということになるのでしょうか。
日本でのキャバレエは、銀座の「オアシス・オブ・ギンザ」が最初とのことです。昭和二十年に。ただし、進駐軍専用の施設だったのですが。

「銀座には、旨い珈琲や菓子を食べさす家が出来、勧工場の階上に尖端的なキャヴァレイが出現したりした。」

徳田秋聲が昭和十六年に発表した小説『縮図』には、そのように出ています。

巴里のキャバレエと言えばベルエポックの華であったものでしょう。巴里、ベルエポック、キャバレエ。その次に想いうかべるのは、「ギルベエル」でしょうか。イヴェット・ギルベエル。
イヴェット・ギルベエルは当時、人気のあった歌手。ロオトレックは、イヴェット・ギルベエルの姿を美事に描ききっています。
モンマルトルのキャバレエ、「ディヴァン・ジャポネ」がその舞台であありました。

「………真っ赤な口紅を塗った唇は、死人のように真っ青なメーキャップの顔と、際立った対照をなしている」

ハインツ・グロイル著『キャバレーの文化史』に、そのような描かれています。

キャバレエが出てくる小説に、『自由への道』があります。1945年に、サルトルが発表した長篇。

「政界に有力な後楯があるのでそのキャバレーは再開を許されるだろうと云っている。」

巴里のトロゼ街のとあるキャバレエが一時閉鎖されたので。
また、『自由への道』には、こんな描写も出てきます。

「彼はクリーム色の絹のワイシャツに腕をとおし、灰色いろのフラノのズボンをはいた。」

これは「ダニエル」が支度をしている場面として。いいなあ。絹のシャツなんですね。
どなたか厚い絹シャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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