サンドイッチとサテン・ダマスク

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サンドイッチは、美味しい食べ物ですよね。朝にサンドイッチ、昼にサンドイッチ、夜なおサンドイッチ。これがほんとうの「三度一致」なのでしょうか。
サンドイッチは無限の拡がりを持っています。まずパンの種類が多い。中に挟む具材が多い。また、挟み方の種類が多い。
オープン・サンドイッチ方式もあれば、フランスパンのように、縦に割って挟むやり方もあるでしょう。
これらをうまく組み合わせれば、少なくとも365日、異なったサンドイッチを頂けることでしょう。

「………腹が空けば杉ごけの上に足を投げ出して古新聞に包んだ「サンドヰッチ」に舌鼓をうち………」

徳冨蘆花が、明治三十年に書いた『思出の記』に、そんな一節が出てきます。これは「菊池」という若者の、昆虫採集の途中での話として。

サンドイッチの名前が「サンドイッチ伯爵」の名前から出ているのは、広く識られているところでしょう。
サンドイッチ伯爵が出てくる論文に、『フェルメール』があります。2001年に、アンソニー・ベイリーが発表したフェルメール論です。

「………ピープスの保護者として、また太鼓腹で知られるサンドイッチ伯爵が戦死するなど………」

著者のベイリーは、フェルメールの時代の戦争についても、そのように語っています。
また、『フェルメール』には、こんな文章も出てきます。

「………キャッファと呼ばれるきわめて高価なサテンのダマスク織りの技術を習得する。」

これは絵師フェルメールのお父さん、レイニール・フェルメールのこと。
余談ではありますが、レイニールのお父さんは、デルフトのテイラーだったそうですね。
その息子、レイニールは、アムステルダムに送られて、織物の勉強をしています。その結果、高度なサテン・ダマスクを習得するのですね。
デルフトに戻ってレイニールの「サテン・ダマスク」は高く評価されたとのことです。サテン・ダマスクは紋織りのサテンのこと。
どなたかサテン・ダマスクで上着を仕立てて頂けませんでしょうか。
「フェルメール」の名前にいたしましょうか。

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