フランスは、ヨオロッパの大国ですよね。私に大国の話はとてもできそうにありません。「フランス小国」の話なら、できるかも知れませんが。
『ふらんす』。主にフランス語を学ぶ人たちの雑誌のことです。『ふらんす』はなぜか気になる雑誌で、時折買いもとめたりしていました。語学はさておき、随筆がとても面白いのです。
その『ふらんす』が、2005年に、単行本の『ふらんす』を出しています。「八十年の回想録」として。この本によりますと。
『ふらんす』の創刊は、1925年のことなんだそうですね。もっともその時の題名は、フランス語で、『ラ・スムーズ』だったとか。大正十四年の一月号が、創刊だったという。今からざっと百年前ということになるのでしょうか。
この『ラ・スムーズ』が、『ふらんす』になるのが、1927年の十月号からなんだそうです。
「ラ・ボエーム。あの活動を見ましたか。勿論、あれはセットで、且つ衣裳風俗は一八三○年代のものではあるが、でも、あれを見てゐると、セーヌ河右岸といふ氣はしない。どうしても左岸、カルチエ・ラタンのサンチマンタルな匂が出てゐます。」
辰野 隆は、『カルチエ・ラタンの氣分』と題する随筆の中に、そのように書いています。1928年『ふらんす』4月号に。
ここに、「活動」とあるのが、映画のことであるのは、言うまでもないでしょう。
フランスが出てくるイギリスの小説に、『灯台へ』があります。1927年に、ヴァージニア・ウルフが発表した物語。余談ではありますが、ヴァージニア・ウルフは、192
8年にフランスに旅しています。
「フランス女性のように両手を器用に閉じたり開いたりしながら………」
たしかに。フランス人は会話の時のジェスチャーが豊かですよね。
また、『灯台へ』には、こんな描写も出てきます。
「それにしても素晴らしいブーツだわ、とリリーもそちらに目を向けながら思った。彫り模様があって堂々としている。」
これは「ラムジー氏」の履いているブーツのこと。「リリー」は、女性の画家という設定になっています。
「こんな靴を作れる男は、イギリス中に一人しかいませんよ。」
これはラムジーがリリーに対する科白として。
どなたか「彫り模様」のあるブーツを作って頂けdでしょうか。