ポニーとポプリン

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ポニーは、子馬のことですよね。たとえば、シェットランド・ポニーだとか。エクスムア・ポニーだとか。pony と書いて「ポニー」と訓みます。
ポニーで有名なものに「ポニー・エクスプレス」があります。アメリカの1860年頃の、早馬便のことです。当時の東海岸から西海岸までの早馬によるい郵便配達。
14グラム当たり、5ドルの値段だったという。インディアン・ポニーをはじめ、脚の速い小型馬が多く用いられたので、その名前があります。
配達人は小柄であることが求められた。体重が軽いほど、馬を速く走らせることができたので。
ただし吹雪のこともあれば、インディアンの襲撃もあるわけで、小柄で、勇敢な人物が必要だったのです。
ポニー・エクスプレスは1860年4月3日にはじまっています。ミズリー州のセント・ジョゼフから、カリフォルニア州のサクラメントまで。約3000キロの距離。これをだいたい10日間で走ったという。
各地に「ステイジ」が設けられていて、ここで馬を乗り継いで走ったんだそうですね。
ポニー・エクスプレスの最速記録は、7日間と17時間。これはリンカーン大統領の就任演説文を運んだ時の記録なんだそうですね。

ポニーが出てくる小説に、『パリの胃袋』があります。1873年に、フランスの作家、エミイル・ゾラが発表した長篇。

「上の方には、たてがみのように豊かな髪、柔らかいポニーテール、ほどけた三つ編み、雨のような巻き髪………」

これは巴里の市場に集まってくる女たちの髪型について。当時は、レアールに中央市場があったのですから。
ゾラの『パリの胃袋』は、市場の話が中心ですから、涎が垂れるばかりです。たとえば。

「………トリュフ入りフォアグラのゴディヴォなどを、じっと見つめた。」

「ゴディヴォ」は、肉団子のことなんだそうですね。
また、こんな描写も出てきます。

「そして派手なフランネルか、枝葉模様の木綿か、そうでなければ真っ赤なポプリンで………」

これから服を作ろうとしている場面。
「ポプリン」poplin
は、もともと絹織物。十六世紀に、フランスのアヴィニヨンで織られたので、その名前があります。当時のアヴィニヨンはポープ(教皇)の所在地だったので。
たぶん法衣や、祭壇の飾りなどに用いられた生地だったのでしょう。
どなたか絹のポプリンでシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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