クィーンは、女王のことですよね。queen と書いて、「クィーン」と訓みます。キングもあればクィーンもあるわけです。
クィーンは人の名前にもあります。たとえば、エラリイ・クィーン。文字もまた、Queen です。アメリカの推理作家。もっとも、フレデリック・ダネイと、マンフレッド・リーとの共同ペン・ネイムなのですが。
1929年発表の『ローマ帽子の謎』は、代表作でしょう。ありとあらゆる1920年代の紳士帽が出てくる推理小説でもあります。
クィーンはまた、トランプの中にも住んでいますね。
匂ならば天鵝絨
骨牌の女王の眼
道化たピエローの面の
なにかしらさみしい感じ。
1911年に、北原白秋が発表した詩集『思ひ出』にも、そのように出ています。
北原白秋は「女王」と書いて、「クイン」のルビを添えているのですが。
「それなら仕方がない「クイン」を出さう。」
1888年に、末廣鐵腸が書いた小説『花間鶯』にも、トランプのクィーンが出てきます。
クィーンが出てくる小説に、『縫糸』があります。1966年に、フランスの作家、ミシェル・レリスが発表した創作。
「………私的な面では四枚のクィーンのどれかを選んで賭ける準備をしているときだった。」
これは主人公の想いとして。
また、『縫糸』には、こんな描写も出てきます。
「クレープソールの靴の踵………」
ここから長い長い心情が語られるのですが。
「クレープ・ソール」crape sole は、波型のラバーソールのこと。ふつうスポーティーな靴にふさわしいものとされます。運動などの際にも滑りにくいので。
どなたかクレープ・ソールのローファーを作って頂けませんでしょうか。