ヴェルディとヴェスト

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ヴェルディで作曲家でといえば、ジュゼッペ・ヴェルディでしょうね。
音楽家で天才と謳われた人は少なくありません。モオツアルトはその代表例でしょう。が、ヴェルディもまた天才そのものの人物でありました。
ヴェルディは七歳で、教会の音楽師にオルガンを習う。そしてすぐに教師を超えてしまったという。お父さんはジュゼッペがあまりに巧みにオルガンを操るのを見て、スピネットを買い与えたんだそうです。とにかく十五歳で、『シンフォニア』を作曲したと伝えられています。
俗に、「天才は夭折する」とか。日本でも樋口一葉は二十四歳で世を去っています。わずか数年の間に名作を多く書いています。中原中也の人生は、三十年だったのです。
ところがヴェルディは、天才にして長生き。1901年に、八十七歳で没しています。「天才は長命」を証明した人物でもあります。
ヴェルディは1859年にジュゼッピーナ・ストレッポーニとサヴォアで結婚。これは日本でたとえるなら、山田 清と佐藤清子が結婚するのに似ているのかも知れませんね。
ヴェルディの『アイーダ』は有名ですが、その一方で『エルナーニ』の作曲もあります。音楽のほうではなぜか『エルナーニ』とすることが多く、戯曲のほうでは『エルナニ』の表記が多いようです。
『エルナニ』はもともと、ヴィクトル・ユゴーの芝居。1830年2月25日、パリの「テアトル・フランセ」で幕を開けています。この時、保守派と革新派とが『エルナニ』を巡って大論争。世に言う「エルナニ事件」であります。
「エルナニ事件」の時、ヴェスト・ユゴー支持者のひとりだったテオフィル・ゴーティエは赤いチョッキを着ていた。これが通説になっています。が、ご本人の語るとこは、ピンクのヴェストだった、と。
これはゴンクール兄弟の『ゴンクールの日記』に出ています。ある時ゴンクールが、ゴーティエと夕食をともにした席で、「事はピンクだった」と言ったのだそうです。ぜひ一度、ピンクのヴェストを着てみたいものですね。

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