タクシーとダンガリー

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タクシーは、便利のものですよね。好きな時に、好きな所に連れて行ってもらえる点で。駐車の心配がありません。
倫敦でタクシーがはじまったのは、1897年8月19日のことなんだとか。倫敦のランベス地区、「ロンドン・エレクトリック・キャブ」が。どうして「エレクトリック」かというと、当時の電気自動車を使ったから。馬力は、3.5で、12台が用意されたらしい。愛称は、「ハミングバード」。タクシーの車体が、黒と黄色に塗られていたので。
では、タクシー以前にはどうしていたのか。辻馬車。これも「キャブ」と言った。「ハンサム・キャブ」を略して、キャブ。ハンサムは、馭者席が後ろにある馬車のこと。
ちょうど今のタクシーをつかまえるのと同じ要領で、辻馬車をつかまえて。ただしタクシーと違うのは、料金を乗る前に交渉すること。もっとも料金よりもチップのほうが多かったりすることもあったようですが。
ロンドンでの辻馬車は、タクシーがあらわれてからも長く続いてらしい。たしかにシャーロック・ホームズには、辻馬車のほうが似合いますものね。
1928年の辻馬車の台数、ざっと二百台もあったという。つまり戦前までの倫敦にはタクシーもあり、辻馬車もあったわけです。
タクシーが出てくるミステリに、『三つの道』があります。1948年に、ロス・マクドナルドが発表した物語。

「真夜なか、タクシーを雇ってオークランドに行くことにした。」

これは、ハリウッドの脚本家、ポーラ・ウェーストの様子。『三つの道』には、何度もタクシーに乗る場面が出てきます。また、こんな描写も。

「ブレッドの隣に腰をかけていたダンガリーを着た小男がスツールからすべりおりて……………」。

ブレッド・テイラーは、海軍大尉という設定。
ダンガリー dungareeは、デニムに似て丈夫な生地。ただしデニムとは逆に、縦糸に晒し糸を配して織ることが多い。インド、ムンバイの、ドングリ Dongri で織られていたので、その名前があります。
ダンガリーのシャツを着て。もちろんtに乗ることだってできるでしょうね。

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