カラマレスとカーディガン

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カラマレスは、イカのことなんだそうですね。「イカ墨のパスタ」なんていう時の、イカ。たとえばスペイン語でも、「カラマレス」。スペインに「カラマレス」の言葉があるだけでなく、よく食べる。日本と同じように。いや、それ以上に。
昔むかし、スペインでカラマレスを召しあがったお方に、堀口大學がいます。堀口大學は二十代のはじめ、しばらくスペインに住んだことがあるんだそうです。

「イカを細かく刻んで、腹から出るあの墨をとかした汁で煮ただけの、日本人でも發明しさうな、至って簡單なお料理だ。」

昭和二十八年『暮しの手帖』第二十二号に、『烏賊の墨煮』と題して書いています。また、堀口大學は、こんなことも書いたいます。

「マラガの葡萄は、ふりそそぐ月光をあびて育つので、果肉に月の味がある。」

これは堀口大學ならではの形容でしょう。
同じ『暮しの手帖』第二十二号に、『愉快なカーディガン』が紹介されています。
それは、ハイ・ネック、九つの、前ボタンの、カーディガン。これがどうして愉快なのか。カーディガンをあらかじめ、色を違えて「半身」で編んでおく。「半身」ですから、右半分だけ、左半分だけの編み上がり。
この「半身」を着る時に、ボタンで組み合わせれば、幾通りにも、着られる。だから、「愉快なカーディガン」というわけですね。

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