雪と優雅

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

雪を歌ったシャンソンに、『雪が降る』がありますよね。

♪ 雪が降る
あなたは来ない

たしかそんな歌い出しだったと思うのですが。サルヴァドール・アダモの作詞作曲。『トンブ・ラ・ネエジュ』。雪のフランス語は、「ネエジュ」なんですね。
♪ 雪が降る………………の日本語訳は、安井かずみ。この安井かずみの日本語訳詞でも、アダモは歌っています。ちょっとハスキーで、なかなかのものであります。
雪。巴里の雪。「巴里の雪」の題で絵を註文された画家に、ユトリロがいます。モオリス・ユトリロ。ユトリロは1955年11月5日、七十一歳で世を去っています。その少し前のことです。アメリカの富豪がユトリロに、「巴里の雪」描かせたかった。
「巴里の雪」の註文を受けたユトリロは、にっこり笑って言った。
「もう、今の私には、巴里の雪は描けませんよ。」
その意味は、雪の外に出てスケッチできない、との意味だったのです。でも、ほんとうは、ユトリロはスケッチしなくても、「巴里の雪」は描けたと思うのです。
雪の寒さ、指の冷たさが、絵画の温度を下げたでしょうから。ユトリロは、たぶん、巴里の雪の温度まで描きたかったのでしょう。
ちょうど、その頃のユトリロの写真を見ると、コートの上にスカーフを掛けています。巻くのでもなく、結ぶのでもなく、掛けて。コートの襟の上に、着物の半襟でもあるかのように。
優雅。ユトリロは、優雅なお方だったのですね。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone