ジプシーとジバゴ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ジプシーという言葉がありますよね、Gypsy と書いて、「ジプシー」と訓むんだそうですが。
ジプシーははじめの頃、エジプトから来た人たちだと考えられていたらしい。それで、「エジプシャン」と呼ばれたという。これがやがて、「エ・ジプシャン」と解釈されて、さらに「ジプシー」の言葉になった。そんな説もあります。
ジプシーに興味を持っていた作家に、プーキシンが。ロシアの文士、アレキサンドル・プーキシン。プーキシンは、1827年に『ジプシー』を発表。でも、プーキシンが『ジプシー』を書きはじめたのは、1823年頃のことだと考えられています。

「ジプシーは、さわがしい群れをなして
ベッサラビアを放牧する。」

そんな風に書きはじめられる詩。「ベッサラビア」は、今の、モルダヴィアであるとのことです。このプーキシンの『ジプシー』がひとつの契機になって、トルストイをはじめとするロシアの作家が、ジプシーに関心を持つようになったとも。
ジプシーが出てくる小説に、『五時の急行』があります。やはりロシアの作家、ボリス・パステルナークが、1957年に発表した小説。題名は、『ドクトル・ジバゴ』。

「汽車の煤煙と油性の化粧品が入りまじって、日焼けしたジプシーそっくりだった。」

これは「五時の急行」で旅している女性たちの様子。『ドクトル・ジバゴ』には、こんな描写も出てきます。

「ジバゴ織物工場があり、ジバゴ銀行があり、ジバゴ・アパートがあり、ジバゴ風のネクタイの結び方があり、ピンの留め方があり、ラム入りパンに似た感じの丸型の甘い饅頭までが、ジバゴの名前で呼ばれていた。」

「ジバゴ風のピンの留め方」。興味ありますねえ。
時にはネクタイ・ピンの挿し方を考えて、ジプシーの本を探しに行くとしましょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone