グアテマラは、中南米に位置する国の名前ですよね。
グアテマラではよくトルティーヤを食べるんだそうですね。グアテマラは、とうもろこしの原産地なので。もちろんそんな単純な理由だけでもないでしょうが。グアテマラにはグアテマラのトルティーヤの食べ方があるらしい。
それはトルティーヤで「フリホレース」を包んで食べる。「フリホレース」は、インゲン豆を原料とした餡子みたいなもの。
とうもろこしとインゲン豆。これは現代栄養学からすれば、かなり理想に近い組み合わせであるという。
古代人は栄養学を知らずとも、静かに耳を澄ませて、天の聲を聴いたのでしょうか。
グアテマラの高地には今なおマヤ文明の名残りを伝える民族衣裳が遺っているとのことです。
それは、「ウイピル」h u i p il という貫頭衣。無理矢理言ってしまえば私たちのブラウスに近い衣裳。ウイピルの下に、巻スカート。
そして正装ともなればこの上に、「ソブレウイピル」 s o br eh u i p il を重ねるという。
ここでの「ソブレ」は、「上に重ねる」の意味。この「ソブレウイピル」には、ありとあらゆる染色技法が駆使されて。いや、染色のみならず、糸や織についても、可能な限りの細密な伝統工芸が鏤めらというのです。そのあらわれ方は別としても、精神においては、日本の
金襴緞子にも似ているのでしょう。
グアテマラが出てくる小説に、『チリ夜想曲』があります。2000年に、
ロベルト・ボラーニョが発表した物語。
余談ですが。『チリ夜想曲』はいささか風変わりな小説で。最初から最後までまで改行なしのモノロオグ小説になっています。
「それからグアテマラ人は、もらったコニャックのコップを持って窓辺に戻ったが………………」。
このグアテマラ人は、パリに住む画家という設定になっています。
また『チリ夜想曲』には、こんな描写も出てきます。
「……………英国製の上等なグレーのウール地の三つ揃い、オーダーメイドの靴、シルクのネクタイ……………。」
ここから延々、服装の説明がはじまるのですが。
これは身長180センチの「フェアウェル」という人物の着こなし。
グレイはいつの時代にも理想のスーツという印象があります。グレイは静寂の色。静謐の色。
グレイ gr ey は白と黒との中間。「未だ白ならず、未だ黒ならず」。そんな謙虚さがあります。
どなたか完璧なるパール・グレイのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。