チェコとチェヴィオット

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チェコは、チェコ共和国のことですよね。以前は、チェコスロヴァキアと呼ばれた時代もあったようですが。
チェコもまた名物の多い国でして。よく知られているところでは、「ボヘミアン・グラス」。あるいは、「チェコ・ビール」。いわゆるピルゼン・ビールであります。
昭和三十七年に、チェコを旅した日本人に、大宅壮一がいます。もっともその時代には、
「チェコスロヴァキア」と称されていたのですが。

「世界的に知られているチェコの名物は、ピルゼン (ほんとうはプルゼニ) のビール、
バーチャのクツ、ボヘミアのガラス製品などである。」

大宅壮一著『東欧の裏街道を行く』には、チェコをそのように書きはじめています。
ピルゼン (プルゼニ) は、プラハから100キロほど離れた町のこと。昔からこの地で造られるビールなので、「ピルゼン・ビール」。ただし現地での呼び方は「プルゼニ」なんだそうですが。
私なども「ピルゼン」のほうに馴染んではいるのですが。

「………このビルの一階で西側になっている所に、ピルゼン・ビヤホオルというのが他の店に挟まれていて、ここで出すボルシチだの、ピロシキだののロシア料理はビイルの肴にもいいし、それだけで食事にもなる。」

吉田健一著『舌鼓ところどころ』に、そのように書いています。
「このビル」とは、むかしの「交詢社」のことなのですが。
チェコで、ビールでといって想い浮かべる作家に、ボフミル・ブラバルがいます。
ボフミル・ブラバルは、1914年3月28日に、今のチェコ共和国に生まれています。
お父さんの、フランチシェク・ブラバルは、ビール工場に勤めていたという。
ボフミル・ブラバルが、1937年に書いた小説に、『わたしは英国王に給仕した』があります。この中に。

「………一人の女の子が金槌を手にして、フリルのついたチェヴィオット毛織物やコーデュロイを留めていたのだが……………………。」

これはウインドウ・ディスプレイの様子。
チェヴィオット ch ev i ot は、トゥイードの一種。
スコットランド、チェヴィオット・ヒルズの羊毛のこと。そこから得られる糸で織られるので、「チェヴィオット」の名前があります。
チェヴィオット・ヒルズは高地なので、毛質が密なので、寒さに強い生地となってくれるのです。
どなたか本物のチェヴィオットで外套を仕立てて頂けませんでしょうか。

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