獅子とショーツ

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獅子は、ライオンのことですよね。「ライオンは百獣の王」なんだとか。
獅子によく似合うのが、牡丹。「唐獅子牡丹」というではありませんか。
あるいはまた。「獅子身中の虫」。よく使われる諺であります。ほんとうは味方であるはずなのに、それが邪魔をする時などに。「獅子身中の虫」と言ったりするんだそうですね。
さらに。「獅子人を噛むのに牙露わさず」。これは「能ある鷹は爪隠す」に似た表現なんだそうです。
これはまあ、ほんの一例。「獅子」の出てくる慣用句は星の数ほどありそうですが。
古い英語で、「ライオンズ」l i ons といえば、「名所」の意味に。
その昔、倫敦塔には動物園があって。ここにライオンが飼われていて。人々はこのライオンを観るためにやって来た。そこで「ライオンズ」が、「名所」の意味になったという。
この動物園は、1834年に閉園。古い話ではありますが。
そうかと思えば、「ライオンの説教」。「ザ・ライオン・サーモン」。
毎年の10月16日に、ロンドンの「キャサリン・クリー教会」での説教のこと。
昔むかし、この教会の牧師、ジョン・ゲイヤーが、トルコを旅して、ライオンに出会って。無事、立ち去らせることが。
その体験談を話すようになったので、「ライオンの説教」なんだそうです。
このサー・ジョン・ゲイヤーは、1646年に、倫敦市長になっています。

三島由紀夫が、昭和二十三年に書いた小説に、『獅子』があるのは、ご存じの通り。この中に。

「………たまたまこの自邸のコートで友だちとテニスをしていた彼女のショーツの腿に見たのだった。」

これは「寿雄」から見ての、「恒子」の姿として。
三島由紀夫の『獅子』は、「ショーツ」が出てくるわりあいはやい小説ではないでしょうか。
「ショーツ」sh orts は、おそらく「ショート・パンツ」のことかと思われます。
でも語感としては、「ショーツ」と「ショート・パンツ」は少し違う。
一般のショート・パンツは「ショート・パンツ」なのであって。
ショート・パンツよりさらに短いものが、「ショーツ」。つまり、「ショート・ショート・パンツ」が、「ショーツ」なのではないでしょうか。
余談ではありますが。英語式に申しますと。「股下」のあるものが、「ショーツ」。要するに「股下」が、「複数形」だから。
ですから屁理屈を申しますと、「股下」のないものは「ブリーフ」と称して、常に単数形で呼ばれるのであります。
どなたか完全なるショーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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