クーペとクリイム

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クーペは、様子のいい形の自動車のことですよね。セダンは、箱型に近い。クーペは、卵型に近い。
後部座席にゆったり乗せてもらう車ではなく、自分で恰好よく運転するにふさわしい自動車。
すべての自動車がそうでありますが、クーペもまた馬車の歴史を受け継いで生まれたものです。対面、四人乗りの馬車を半分に「切って」二人乗り馬車に。これを「クペ」c o upé と呼んだんだとか。
フランス語の「クペ」には「切った」の意味があるとのこと。たとえば、「ヴァン・クペ」は、水で割ったワインの意味に。
でも、c o upé を英語訓みにすれば、「クーペ」になってしまうわけで。
話は変りますが、コッペパンもまた、「クペ」と関係がなくもないらしい。フランスにコッペパンそのものはありません。でも、「切ったパン」はあって。つまり、表面に切り目を入れたパン。そこから連想して、日本語の「コッペパン」が生まれたとの説もあります。
クーペが出てくるミステリに、『殺人保険』があります。ジェイムズ・ケインが、1943年に発表した物語。

「こんどのは、小型の、紺色クーペ型さ。間違えちゃいけないぜ。」

これは保険勧誘員の、ウオルター・ハフの科白。1940年頃の、アメリカのクーペ、車種は何であったのでしょうか。
ところで、ウオルター・ハフの珈琲の飲み方。

「僕はオレンジ・ジュース入りコーヒーを二口三口飲むと、新聞を持って二階へ上がった。」

これは、ウオルター・ハフの朝食の様子。
「オレンジ・ジュース入りコーヒー」ってあるんですねえ。私はまだ飲んだことありませんが。どんな味になるんでしょうか。
また、『殺人保険』には、こんな描写も出てきます。

「クリーム色のズボン、白靴、白靴下、焦茶色の上着に、白の開衿シャツというりゆうたる盛装に早変わりして…………………。」

これは、食堂のボオイの服装を、ウオルター・ハフが眺めている場面。
そういえば1950年代の日本でも、突然、クリイム色が流行ったことがありましたね。
クリイム色のトラウザーズを上品に穿くのは、難しい。でも、クーペに乗ってしまえば、分かりませんがね。

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