綛とカシミア

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綛は、綛糸のことですね。
いや、これは正確ではありません。綛は、糸を巻いておくための、木枠。その木枠に巻かれた状態の糸が、綛糸。
綛と書いて、「かせ」と訓みます。綛糸はいうまでもなく、「かせいと」となります。
生地を織るのに糸は欠かせません。でも、ただ長いまま一本の糸があったとしても、扱いにくい。そこで、糸がより扱いやすいように、綛に巻いておくわけですね。
綛は『萬葉集』にも出てくるんだそうですから、古い言葉なんでしょう。ただし、その時代には、「鹿背」などの文字もあったらしいのですが。
綛は、英語で「ハンク」h ank となります。また、「綛揚」のことは、「リーリング」r e el ing と呼びます。
「綛揚」は、糸を綛に巻き取ることです。もちろん、「かせあげ」です。
梳毛糸の場合、ひとつの綛に、512メートルの糸を巻く。これを「一綛」といいます。またリネンの場合は、一綛が、3,291メートル。コットンが、768メートル。
綛が出てくる小説に、『王は闇に眠る』があります。2002年に、フランシーヌ・マシューズが発表した物語。

「サクランボ色、アクアマリン、ビリジアン、とりどりの色に輝く絹糸のかせを木製のラックに並べた。」

『王は闇に眠る』は、タイ・シルクを巡る物語でもあるので、綛が出てくるのも、当時でしょう。
また、『王は闇に眠る』には、こんな描写も出てきます。

「彼はアイボリー色のフランネルのズボンに同じ色合いの絹のシャツ、白檀に似た色のカシミアのジャケットを着ていた。」

これは、シルク会社の社長、ディキー・スペンサーの着こなし。
白檀色のカシミアの上着。これで手織工場を見学に行きたいものですね。

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