ギリシアとキャンバス・シューズ

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ギリシアは、国の名前ですよね。エーゲ海を懐に抱く美しい国であります。
エーゲ海には空に浮かぶ星の数ほどの島々が点在しています。
クレタ島、エヴィア島、レスボス島、ロオドス島………………
これは島の大きさの順序に並べたものです。
レスボス島は、古代ギリシア時代の、サッポーが生まれた島でもあります。サッポーが生まれた年はよく分かってはいません。が、紀元前612年頃ではないかと、考えられています。レスボス島のミティレネという町に。
それはそれはお美しい女性で、結婚し、クレイスという娘があったということです。が、夫を亡くした後、詩作に耽って。多くの名詩をも生んでいます。
サッポーの特異な点は、多くの美少女を集めて、詩を教えたことでしょうね。そんなことから、古代ギリシアのレスボス島は、詩の生まれる所としても、有名だったのであります。
ギリシアと題につくミステリに、『ギリシア棺の謎』があります。1932年に、エラリー・クイーンが発表した物語。
エラリー・クイーンは、1932年に、どうして『ギリシア棺の謎』を選んだのか。縁起を担いだのであります。
1929年の頃のアメリカで、ある雑誌社が懸賞小説を募集。これに応募したのが、エラリー・クイーン。エラリー・クイーンは、筆名。彼らは同い年の、従兄弟同士で、それぞれに仕事を持っていたので。
その懸賞小説に応募したミステリが、『ローマ帽子の謎』であったのですね。
この『ローマ帽子の謎』が美事、第一位に。でも、その後、雑誌社自体が消滅したので、いきなり単行本として、出版。1929年8月16日のことであります。
これが拍手喝采となって、エラリー・クイーンは専業作家となったのです。
ただし、『ローマ帽子の謎』に「ローマ帽子」は出てきません。「ローマ劇場」が背景となる、帽子がトリックに使われるミステリなのです。
『ローマ帽子の謎』が人気となったので。『フランス白粉の謎』、
『オランダ靴の謎』と続くのであります。それぞれ1930年、1931年に刊行されているのですが。
1931年の『オランダ靴の謎』の中に。

「男は白いキャンバス靴に、白のズックのズボンに上衣…………………。」

これはある病院での制服の様子。
戦前までは、「キャンバスシューズ」があったのです。白靴。アッパーはキャンバス、ソールはレザー。もしも汚れたなら、白いチョーク液を塗ったもの。
いいなあ、キャンバス・シューズ。純白のキャンバス・シューズで、ギリシアの島巡りをしたいものですね。

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