ジェリー藤尾とシェニール

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ジェリー藤尾は、歌手の名前ですよね。歌手ですから、いろんな歌を歌っているのは、当然のことでしょうが。
『悲しきインディアン』なんてのも、ありましたっけ。でも、誰もが知っているジェリー藤尾の歌といえば。『遠くへ行きたい』でしょうか。
『遠くへ行きたい』は、1962年の発表。永 六輔の作詞、中村八大の作曲。その頃、歴史に遺る名番組『夢であいましょう』のなかで、「今月の歌」として歌われたものです。これがヒットして。ジェリー藤尾の外にも、多くの歌手によって歌われているのは、ご存じ通り。

🎶 知らない町を 歩いてみたい…………。

たしかそんなふうにはじまる歌詞でしたね。

「番組のテーマ曲になっている「遠くへ行きたい」の詞を僕が書いた頃は、日本の中で遠くへ行きたいと心から思っていたのですが、もう国内のどこに出かけても、遠いという感じはしなくなってしまいました。」

永 六輔は2011年に書いた随筆『「遠くへ行きたい」から四十年』の中で、そんなふうに書いています。
永 六輔には、『遠くへ行きたい』と題する随筆集もありまして。これは永 六輔のまわりのエピソオド集にもなっています。
たとえば、「しっぽのアンコ」だとか。昔、四谷の若葉町に、鯛焼き屋があって。演劇評論家の「安藤鶴夫」が食べてみると。しっぽのところにまだアンコが入っていて。そのことを某新聞に書いたところ、満員御礼。たちます、四谷名物になったとか。
あるいはまた、『暮しの手帖』の編集長だった、花森安治が永 六輔の自宅にやって来た話だとか。
花森安治は、永 六輔の本箱の前に座り込んで、動かない。そのうちに、本の背表紙の題名を、静かに読みはじめたという。
花森安治は、ほんとうに本がお好きなお方だったのでしょう。
えーと。ジェリー藤尾から少し脱線をしたのでしょうか。
ジェリーが出てくる物語に、『小さな星の奇跡』があります。1998に、メアリ・H・クラークが発表した物語。

「………ミセス・ヌニェスがステッリーナとジェリーを迎えにくるのを待っていた。」

これは子供の名前として。
また、『小さな星の奇跡』には、こんな文章も出てきます。

「お気に入りの古ぼけたシェニール織りのローブをはおり……………………。」

これは、アルヴァイラ・ミーハンという幸せな女性の様子。
「シェニール」ch en ill e は、毳の長い糸。またはそれで織った生地のこと。もちろんシェニールのニットもあります。
フランスなら、「シェニーユ」。「毛虫」みたいにも思えるからです。もっともシェニールはフランスではじまった糸とも言われているのですが。
どなたかシェニールのスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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