シャトオとジャージー

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シャトオは、「城」のことですよね。英語なら、「キャッスル」でしょうか。

🎶 森と泉にかこまれて……………。

1967年のヒット曲に、『ブルーシャトー』がありました。たしか「ジャッキー吉川とブルーコメッツ」が歌っていたような記憶があります。

おしゃれに関係ある城なら、『帽子屋の城』が。1931年に、スコットランド出身の作家、クローニンの発表した物語。原題もまた、『ハッターズ・キャッスル』。もちろん、帽子屋の話も出てきますよ。

シャトオが出てくる日本の小説に、『弔花』があります。昭和十年に、豊田三郎が発表した創作。

「………O大名誉教授、シャトオのような邸宅、ヴィラ、日本に於ける最善美をつくしたヨット、灰白色の高級車……………。」

これは「垂水」という男が夢想している場面として。うーん、「シャトオのような邸宅」。憧れますねえ。シャトオのような邸宅に加えて、さらに「ヴィラ」があるのでしょうから、ますますもって……………。
ところで、昭和十年の「シャトオ」は、わりあい早い例かも知れませんね。

昭和十一年に、岸田國士が書いた『落葉日記』にも、シャトオが登場します。『落葉日記』は、小説。岸田國士には戯曲が多いのですが。

「どうです………立派なシャトオでせう。あのお庭の松の木みてごらんなさい」

これは、「ピッコロミリ夫人」が、友人に自慢している場面として。
國士戯曲の小説『落葉日記』を読んでおりますと。

「梨枝子は薄いスエタアの臂を抱へるやうにすぼめて、黑い森の上にかかつた上弦の月を、物珍しさうに眺め入つた。」

そんな描写が出てきます。これは、テニス場でのこと。岸田國士は、「スエタア」と書いているのですが。

シャトオと題につくフランスの小説に、『城から城へ』があります。1957年に、セリーヌが発表した物語。この中に。

「………丈長縞ジャージー、とんがり髭の漕ぎ手が大流行でね……………。」

これはたぶん「バスク・シャツ」のことかと思われるのですが。セリーヌは、「ジャージー」の言葉を使っているのでしょう。
「ジャージー」はもともと、「ジャージー島」のこと。そもそもは、フィッシャーマンズ・スェーターのことだったのです。それが時代とともに、変化したものなのです。
どなたかシルク・ジャージーで、上着を仕立てて頂けませんでしょうか。

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