ウエイターとウインザー・カラー

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ウエイターは、給仕人のことですよね。また、ボーイさんのことでもあります。
英語の「ウエイター」wai t er は、1384年頃から用いられているそうですから、まずはじめに男のサーヴィスがあって、後に女性も行うようになったものかと思われます。

「折からウエエタアが持つて来たウイスキイで、ちよいと喉をうるおすと、ポツケツトから瀬戸物のパイプを出して、それへ煙草をつめながら………」

芥川龍之介が、1918年に発表した短篇『西郷隆盛』に、そのような文章が出てきます。
芥川龍之介は、「ウエエタア」と書いているのですが。この「ウエエタア」は、何度も出てきます。
これは当時、京都から東京へ向かう急行の食堂車での様子として。

「清吉はウエイトレスの持つて来たメニューの上を指でおさえて命じながら、やっぱりさっきのつづきを考へつづけてゐた。」

1922年に、佐藤春夫が書いた小説『侘びしすぎる』に、そのように出ています。
ここでは何を頼むのか。ホット・ウイスキイ。いいですねえ、ホット・ウイスキイは。身体が芯から温まります。

ウエイターが出てくるミステリに、『灰色の嵐』があります。2008年に、ロバート・B・パーカーが発表した物語。

「ウエイターが来ると、彼女はシャンパンのカクテルを注文した。」

これは「リタ」という女性の希望で。
ロバート・B・パーカーの『灰色の嵐』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。

「………ウィンザーカラーでサファイアのカフスボタンのついた灰色のシャツ、サファイアのタイピンで留めた灰色のネクタイ………」

要するにすべてが、グレイの着こなし。これは、ガンマンの「ルーガー」という男について。
そのルーガーは、「ウィンザーカラー」のシャツを着ているわけですね。
ウィンザー・カラーは、ひとくちで申しますと、スプレッド・カラー。だいたい襟の開き角度、110度くらいでしょうか。俗に言う「ウィンザー・ノット」にふさわしい襟型。
ウィンザー・カラーは、襟が上着の外に飛び出さない襟でもあるのです。
どなたか最上のウィンザー・カラーのシャツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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