テーブルと手袋

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テーブルは、机のことですよね。よく「テーブルに着く」というではありませんか。「テーブルに着く」とは、「まず話合いましょう」の意味です。
テーブルはまた、「食卓」の意味でも。「テーブルを共にした仲」は、一緒に食事をした間柄ということなのでしょう。

テーブルで有名なものに、「最後の晩餐」があります。もちろん、イエス・キリストの「最後の晩餐」で用いられたテーブルのこと。
多くの画家によって描かれた『最後の晩餐』を観る限り、長いテーブルだったと思われます。十三人が横に並べる大きさだったのでしょうから。
この「最後の晩餐」から、一般に「十三人での食事」が嫌われる傾向があります。
「十三人での食事」を極端なほど避けたのが、ディーとリッヒ。往年の女優、マルレエーネ・ディートリッヒ。
ディートリッヒはある時、客船でニュウヨークに帰ろうとしていて。友人たちと夕食を。ふと数えてみると、客の数十三名。
あわてたディートリッヒ、食堂を出て、たまたま通りがかりの男を客に加えた。これで、十四名での食事に。その「男」が、ヘミングウエイ。アメリカの作家、アーネスト・ヘミングウエイ。
これがきっかけで、ディートリッヒとヘミングウエイの友情がはじまったと、伝えられています。

テーブルが出てくるミステリに、『放送中の死』があります。1934年に、英国の作家、ヴァル・ギールグッドと、ホルト・マーヴェル共著の物語。

「………バニスターとふたり連れはジェンタイル通りへと曲がり込み、カフェバーに入っていくとテーブルについた。」

『放送中の死』には、こんな描写も出てきます。

「手首には波形の装飾、手の甲の側には異国趣味の黒いみごとな刺繍が施されている。」

これは、「レオポルド・ドライデン」なる人物の持ち物として。
「波形の装飾」は、スカラップ模様かと思われます。
佳い手袋の第一条件は、それを嵌める人に手に、ぴったりフィットしていること。
英語の慣用句に。「フィット・ライク・ア・グラヴズ」があるくらいですから。手袋を嵌めた手で、札束を正しく数えられようなら合格という説もあります。
どなたか手にぴったりの手袋を作って頂けませんでしょうか。

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