ジョルジュとシュトリックヤッケ

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ジョルジュは、男の人の名前にもよくありますよね。フランスなどにも多い名前ではないでしょうか。
英語圏なら、ジョージに近いかも知れませんね。
フランスのミステリ作家で、ということになりますと、
ジョルジュ・シムノンでしょうか。
ジョルジュ・シムノンの代表作は、『男の首』でしょうか。1931年の発表。もちろん、「メグレ警部物」ですね。
ジョルジュ・シムノンがベルギーから巴里に出たのは、1920年代のことで、奥さんと一緒に。奥さんは、画家。モンマルトルの丘で観光客相手に、似顔絵。
男が側にいては邪魔なので、ジョルジュはカフェで雑文を書くことに。これが後に「メグレ警部物」になったんだそうです。

1950年にジョルジュ・シムノンが書いた物語に、『メグレの回想録』があります。これは「メグレ」が実在の人物との設定で、そのメグレとジョルジュとが、どんなふうにして知りあったかを書いた、興味深い内容になっているのです。
少し形を変えた「ジョルジュ・シムノン伝」としても読めるものでしょう。

「朝の四時から八時まで書き、八時以降は仕事はしません。」

『メグレの回想録』に、そのような会話が出てきます。
これはメグレ警部が、ジョルジュ・シムノンに、「最近はどお?」と訊いたことに対する答えとして。
このあたりの事情は、たぶん事実そのものだったと思われます。

ジョルジュ・シムノンが出てくる小説に、『リスボンへの夜行列車』があります。2004年に、パスカル・メルシェが発表した物語。

「夜の回に、ジョルジュ・シムノンの小説『汽車を見送る男』を原作とした白黒映画が上映される。」

これは物語の主人公で、古典文献学者の、ライムント・グレゴリウスの話として。
但し、シムノンに『汽車を見送る男』の小説は存在しません。著者の、創作。
パスカル・メルシェの『リスボンへの夜行列車』を読んでおりますと、こんな描写も出てきます。

「真っ白なシャツに紺色のカーディガン、赤いネクタイ、完璧な折り目のついたズボンに、ぴかぴかに磨かれた黒い靴。」

これはグレゴリウスが会った、ジョアン・エッサという男の着こなしについて。
カーディガン。もし、ドイツなら、「シュトリックヤッケ」になるんだそうですね。
どなたかドイツふうのシュトリックヤッケを編んで頂けませんでしょうか。

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