ピアノとピンチ・バック

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ピアノは、楽器のひとつですよね。いや、「ピアノは楽器の王様」という人もいらっしゃるでしょう。「ピアノ伴奏」という言葉があるように、ピアノさえあればどんな歌だって歌えますからね。
そしてまた、ピアノ自体が歌を歌う楽器なのです。朗らかに、麗らかに、囁くように歌を歌う楽器であります。
今日のピアノの原型が完成したのは、1700年ころのことなんだそうですね。イタリアのフィレンツェで。
フィレンツェ、メディチ家。メディチ家は、ピアノの歴史とも無関係ではありません。
十七世紀末、メディチ家の「フェルディナント王子」が音楽好きだったから。
1693年、フェルディナント王子は、噂を聞いて、パドヴァノクリストフォリを、フィレンツェに招くんですね。これがすべてのはじまり。
バルトロメオ・クリストフォリは、王子の集めた楽器の管理を任されて。そして、1699年頃から、繊細な音を出せる楽器を研究。
その結果、「グラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」が生まれるのです。ごく簡単に申しますと、「繊細にも大胆にも弾けるチェンバロ」の意味だったのです。
この長い名前が省略されて、今のピアノになったわけであります。

ピアノが出てくる小説に、『ストロベリー・アイスクリーム・ソーダ』があります。アメリカの作家、アーウイン・ショオの短篇。

「天分があって、ピアノの練習に打ちこんでいたk。あら、いつかはカーネギー・ホールの舞台にグランド・ピアノが用意されて………」

これは「ローレンス」という男の子について。
この短篇は、常盤新平訳の『夏服を着た女たち』に収められています。
同じ短篇集の中には、『ニューヨークにようこそ』も含まれているのですが。この中に。

「ウェストにひだのある、注文仕立ての紫色のスーツを着て………」

これは「ワイゾッキ」という人物の服装について。
「ウェストにひだのある」。私はここから勝手に、「ピンチ・バック」pinch ba ck を想像してしまいました。
たとえば背中にハーフ・ベルトがあって。それを中心に、いくつかのプリーツをあしらったスタイルのことです。
どなたかピンチ・バックの映える上着を仕立てて頂けませんでしょうか。

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