ストッキングは、長靴下のことですよね。女性用のストッキングもあれば、男性用のストッキングもあります。
ラグビーなどの競技には、ウールのストッキングが不可欠でしょう。登山にもストッキングが重宝するものです。ことにニッカーボッカーズを穿いた時には。
stocking
と書いて「ストッキング」と訓みます。これは1583年頃からの英語なんだそうです。元の言葉は、「ストック」stock。木の枝のこと。木の棒。編棒。編棒で編んだ靴下だから、「ストッキング」になったんだそうです。
ストッキングが出てくる小説に、『若い人』があります。1937年に、石坂洋次郎が発表した青春物語。
「石塚さんこそ叔母さんから絹のストッキングを戴いたのがあるんですって………」
これは修学旅行に行く前の、女学生の会話として。戦前の絹ストッキングは貴重品だったのでしょう。石坂洋次郎は、作家になる前、女学校の先生でしたからね。
ストッキングが出てくる短篇に、『最後の笑い』があります。1924年に、ロレンスが書きはじめた小説。
「彼はゆっくりとストッキングをずらし……」
これは若い警官の様子。脚が痛むので。
また、ロレンスの短篇『王女さま』には、こんな描写が出てきます。
「灰色がかったキルトに皮袋を前に吊るし………」
これはコリン・アーカットの様子として。コリン・アーカットは、スコットランドの出身なので。
「皮袋」。たぶん、「スポーラン」sporranのことなのでしょう。スコットランドの民族衣裳のひとつ。腰袋。ここに小物を入れて持ち運んだという。
どなたかスポーランに近いポーチを作って頂けませんでしょうか。