サテンとサンダルウッド

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サテンは、繻子のことですよね。satin と書いて、「サテン」と訓みます。繻子地。繻子織。光沢のある絹地です。
ブラック・タイにも多く、サテンが用いられます。ブラック・タイということは、カマーバンドも。カマーバンドとボウ・タイの生地は揃えることになっていますので。

「袖口の繻子のぬめりに見ほれけん すべりこんだる 風の梅が香 」

1833年に、為永春水が発表した『春色梅児誉美』に、そんな一節が出てきます。
日本での繻子の歴史にも、よほど古いものがあるのでしょう。繻子はまた、蝋燭の光を敏感に捉える点でも重宝されたものと思われます。
サテンが出てくる小説に、『赤き死の香り』があります。1939年に、ジョナサン・ラティマーが発表した物語。

「彼はそのトマトジュースを青い長椅子まで運んでいき、炎がまぶしくないように頭を暖炉のほうに向けて体を横にした。そして頭の下にサテンのクッションを押し込んだ。」

これはウイリアム・クレインの様子。ひどい宿酔なので。
また、『赤き死の香り』には、こんな描写も出てきます。

「彼女は白檀の香りがした。」

彼女とは、「ディーリア」のこと。
白檀は、佳き匂いの木材。扇子にもよく白檀が用いられます。英語では、「サンダルウッド」sandalwood
。サンダルウッドは、1511年頃からの英語なんだそうですね。昔はサンダルを作ることもあったのでしょうか。
どなたかサンダルウッドのコロンを作って頂けませんでしょうか。

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