ボーイフレンドとホンブルグ

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone

ボーイフレンドは、男友達のことですよね。それも単なる男友達よりも、もう少し親しいという含みがあるのではないでしょうか。
親しさ。それは時代によっても、年齢によっても違ってくるのでしょうが。
同じように、ガールフレンドは、女友達。今、英語の辞書を引いてみますと、それぞれの年代が少し異なっているのですね。
「ガールフレンド」の英語は、1859年頃から用いられているとのことです。これに対して「ボーイフレンド」の言葉は、1896年頃から使われるようになったと、出ています。
つまり三十七年ほど「ガールフレンド」の方がお姉さんということになるわけです。少なくとも、まず。はじめにガールフレンドがあって。それから四十年ほどの後に、ボーイフレンドの言い方が生まれたことは間違いないないでしょう。
やっぱり男の子よりも女の子の方がおませなんでしょうか。

ボーイフレンドが出てくるミステリに、『雷鳴の中でも』があります。1960年に、ジョン・ディックスン・カーが発表した物語。

「それがたとえどんなに親しいボーイフレンドであろうとも、ちゃんとロビーにいて、相手が迎えにくるまではじっとしているものなんだよ。」

これは、ブライアン・イネスという画家が、オードリー・ページという若い女性に諭している場面での会話として。
もっとも『雷鳴の中でも』は、1959年頃に執筆されたものでしょうから、少し旧式の考えでもあるのかも知れませんが。
『雷鳴の中でも』には、こんな描写も出てきます。

「ブライアン・イネスは、黒のホンブルグ帽を膝の上に置いて、タクシーのうしろの席に座っていた。」

ホンブルグ homburg
は、1890年頃、ドイツのホンブルクで作られたとの説があります。ここは有名な温泉地で、英国皇太子がよく通った場所。この英国皇太子に敬意を表して、地元の帽子工場が、ティロリアン・ハットの技法で仕上げた帽子だと、考えられています。
つまり、ホンブルグは、後のエドワード七世が流行らせた帽子なのです。
どなたか完璧なホンブルグを作って頂けませんでしょうか。

Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on Google+Email this to someone