アイスクリイムとアストラハン

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アイスクリイムは、氷菓子のことですよね。クリイムはクリイムで、そのまま食べることもあります。たとえばバームクーヘンの隣に添えたり。
その同じようなクリイムを冷たい状態で口に運ぶので、「アイスクリイム」なのでしょう。アイスクリイムの食べ方のひとつに、コーン・アイスクリイムがあります。あのとんがり帽子の中に入っているアイスクリイムを頂くわけですね。
コーン・アイスクリイムは1904年のアメリカで誕生したとの説があります。「セントルイス万国博覧会」の会場で。この会場には多くの売店も並んでいて。アイスクリイム屋もあったし、ワッフル売りもあったそうです。
ところがある日、アイスクリイムが好評で、売れて売れて、器が足りなくなった。窮余の一策で、隣のワッフルに包んで、アイスクリイムを売った。このワッフルが後にコーンに進化したんだそうです。
コーン・アイスクリイムはもたもたしていると溶けて手に垂れてくる。これを防ぐ方法は、回転。コーンを持った手で回しながら食べると、まず溶けたり垂れたりはしません。
溶けることを心配しなくて良いのが、アイスクリイム・サンデー。はじめから器の中に入れてくれていますからね。
アイスクリイム・サンデーは、1892年の生まれだという説があります。ニュウヨークのイサカで。それはチェリーを飾ったアイスクリイム・サンデーだったとのことですが。
場所はイサカの「プラット&コルト薬局」。四月のある日、ジョン・スコットという牧師がこの店に立ち寄ると。単なるアイスクリイムではなくて、チェリーなどをあしらった美しい代物を出してくれた。
その日がたまたま日曜日だったので、「アイスクリイム・サンデー」と命名したんだとか。

アイスクリイムが出てくる小説に『ウィーン五月の夜』があります。レオ・ペルッツが、1918年に発表した物語。

「食後のブラックコーヒーが五クローネ。夕食の時のアイスクリームには九クローネ払わざるをえなかった。」

これは物語の主人公がある街に旅して、物価が高いと感じる場面。
また『ウィーン五月の夜』には、こんな文章も出てきます。

「タシュケントやアストラハン、あるいはサマルカンドからやってきて、そこで安い買い物をする人たちに絶対に会うに決まっている。」

「アストラハン」Astrahan はロシアの地名。黒海に面した港町。
昔、この地で作られたのが、「アストラカン」astrakhan。
黒い毛皮。表面に、強いカールした毛が密集しているのが、特徴。毛皮の中でも特に保温性に富んでいます
どなたかアストラハン製の毛皮で外套を仕立てて頂けませんでしょうか。

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