コラムとコオデュロイ

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コラムは、囲み記事のことですよね。column
と書いて「コラム」と訓みます。もともとは古代ロオマの石柱の意味だったという。石柱になにか書いてあったのでしょうか。
コラムはたいていの新聞雑誌に見られる小さな記事のこと。山椒は小粒でピリッと辛い。小さなコラムが大きな力を発揮することもあります。
コラムでよく識られたものに、『天声人語』があるでしょう。名物コラム。明治三十年にはじまっているそうですから、古い。
朝日新聞には名文家が多いですから、その中の達人が担当することが多いようですね。でも、いかに達人でも毎日、名文を短く纏めるのは難しいことなのでしょう。
ある天声人語子が、定年退職。後で、机の下の桟を見ると、甚だしく擦り減っていたそうですね。無意識のうちに、原稿を書きながら、靴で地団駄を踏んでいたのでしょうか。

シャンソン歌手の越路吹雪が世を去ったのは、1980年11月7日のこと。11月9日の『天声人語』は、『越路吹雪さんの思い出』となっています。

「………最期に「ツネミさん、ブラックコーヒーとミルクを」といいかけたそうだ。」

天声人語子は、そのように筆を起こしています。「ツネミさん」とは、ご主人の内藤法美のこと。これは「朝ごはんをちゃんと食べてね。」の意味だったという。
この辺りの呼吸はやはりコラムならでは味なのでしょう。
それにしても17日に亡くなって、18日に原稿を書いているわけですから、すばやいものです。
越路吹雪のオハコが『愛の賛歌』だったのは、言うまでもないでしょう。コーちゃんの『愛の賛歌』を百回以上生で聴いた人に、音楽評論家の安倍 寧がいます。安倍
寧の談話もちゃんと取っているのですが。
『愛の賛歌』は百回聴いて、百回ともすべて微妙に異なった歌い方であったそうですね。
名人にして名人を識る、というところでしょうか。

コラムが出てくる小説に、『シンコ・エスキーナス街の罠』があります。マリオ・バルガス=リョサ創作。

「それはロランド・ガロがコラムニストとなり、ラジオ番組のディレクター、その後はテレビ番組のディレクターと出世していくにつれて………」

また、マリオ・バルガス=リョサの『シンコ・エスキーナス街の罠』には、こんな描写も出てきます。

「その細い体をくっきり見せている紫色のコーデュロイのぴったりしたズボンか?………」

これは「キケ」と呼ばれている若者についての形容として。
どなたか、紫色の細いコオデュロイでスーツを仕立てて頂けませんでしょうか。

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