カップとカパ

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カップは、コップのことですよね。「コップ酒」と言い、「カップ酒」の言い方もあります。
ホット・ミルクを飲むのは、カップでしょうか、コップでしょうか。
コップでワインを飲むこともあれば、カップでワインを飲むこともあるでしょう。でも、今の時代なら、ワインはグラスで飲むことが多いのではないでしょうか。
コップ、カップ、グラス。ややこしいことでございます。
コップは、江戸語。少なくとも江戸時代には「コップ」の言葉があったらしい。これはポルトガル語の「コポ」
copo から出た言葉なんだとか。また同じものをオランダ語では、「コップ」cop と言ったんだそうです。
明治の時代に、英語の「カップ」cup
が入って来て。コップと言うよりも「カップ」と言うほうがハイカラな時代になったんだそうですね。でも、同時に「コップ」もまた消えはしなかった。そこで、今なおコップもあり、カップもあるというわけなのでしょう。

カップが出てくるユウモア小説に、『お呼びだ、ジーヴス』があります。1953年に、イギリスの作家、P・G・ウッドハウスが発表した物語。

「彼女は長椅子に座って空のコーヒーカップをもてあそびながら………」

これは「ジル」という若い女性の様子として。
また、『お呼びだ、ジーヴス』には、こんな描写も出てきます。

「彼女の帽子、彼女の靴下、彼女の靴、彼女のプラチナ色の毛皮のケープ………」

これは「ロザリンダ」の着こなしについて。これはすべて、当時人気のあった、ジャック・ファットのデザインになるものという設定になっています。
ここでの「ケープ」cape はマント形式の衣裳のことでしょう。日本でも古くは、「カパ」capa
と呼んだものです。ポルトガル語の「カパ」から出た言葉なので。日本語の「合羽」はここに由来します。
つまり、ケープもカパも元を正せば同じものなのです。
どなたかクラシックなカパを仕立てて頂けませんでしょうか。

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