ヒースとヒール

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ヒースは、花の名前ですよね。heath  と書いて「ヒース」と訓むんだそうですが。ヒースはエリカの一種なんだとか。

🎶 伊豆の山かげに エリカの花は 咲くという………

1963年に、西田佐知子が歌ってヒットした歌に、『エリカの花の散るころ』があります。なるほど、伊豆にもエリカは咲くのでしょう。
これがヒースとなりますと、勝手にスコットランドを想ってしまいます。ミックス調のトゥイードに、「ヘザー・ミクチャー」があります。たぶん野山に咲くヒースの様子と関係しているのでしょう。
ヒースが出てくる論文に『ゴッホの手紙』があります。1952年に、小林秀雄が発表した名論文。

「秋の葉をつけた背の高いポプラの並樹道、右も左も、見渡す限りのヒイスの原………」

『ゴッホの手紙』を読んだ小林秀雄が、ゴッホの見た世界を想像している場面として。
では、小林秀雄はどんなふうにして『ゴッホの手紙』を読んだのか。原文で。戦後間もなくの日本で、原書『ゴッホの手紙』を手に入れるのは、困難だったでしょう。
小林秀雄は、式場隆三郎から借りて読んだと、書いています。
小林秀雄は三週間というもの、『ゴッホの手紙』に耽読。その興奮があまりに鮮烈なので、『ゴッホの手紙』を書くことにしたんだそうですね。

「山羊の皮にくるまり、毛の帽子 ー 兎に違いない ー をかぶり、赤髭を逆立てて。」

小林秀雄は巴里の街を歩くゴッホの姿を、そんなふうに想起しています。

ヒースが出てくるミステリに、『ストップ・プレス』があります。1939年に、英国の作家、マイクル・イネスが発表した物語。

「最後にカラマツの植林地を貫いて、その先に広がるラスト・ヒースに長い影を作った。」

『ストップ・プレス』には、こんな会話も出てきます。

「悪くないわ。からだに合ったスーツを着ているし、靴のかかとはあなたの弟ほど分厚くないもの。」

これは「パトリシア」の科白として。
靴のヒールはあまりに分厚くない方が上品なのでしょうか。
紳士の振る舞いとして。磨り減ったヒールは厳禁なんだそうですね。
どなたかヒールが美しい靴を作って頂けませんでしょうか。

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