カナディアンとガウン

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カナディアン・ウイスキーというのがありますよね。カナデで蒸留されたウイスキーであること、申すまでもありません。
カナディアン・ウイスキーを代表するものに、「カナディアン・クラブ」があります。多く、「CC」などとも呼ばれる銘柄。
カナディアン・クラブには12年熟成物があって、「カナディアン・クラブ・クラッシック」。この頭文字を並べると、「CCC」になるのですが。
カナディアン・クラブのはじまりは、1858年年のことだとか。アメリカ人人の、ハイラム・ウォーカーがオンタリオで開いた醸造所。最初は自分が飲むために、造りはじめたという。
カナディアン・クラブでは、1879年からボトル詰めに。それ以前ウイスキーは樽詰めだったにもかかわらず。
カナディアン・ウイスキーの出てくる随筆に、『ノーマンさんのこと』があります。渡辺一夫の名作。

「およばれの席でいただいたカナディヤン・ウィスキーの効力も大いにあったのであるが…………」。

これは、ハーバート・ノーマンの誕生日でのこと。当時、ハーバート・ノーマンは駐日カナダ大使だったわけですから、カナディアン・ウイスキーが出るのも、当然だったでしょう。
フランス文学の大家、渡辺一夫はここで少し眠ってしまう。ふっと目がさめると、喉が渇いていて。近くにいた女の人に、「お水をください」。その女の人は、高見 順の奥様で、「たいへん失礼した」と、書いています。
それとはまた別の日に。1950年頃の秋。箱根の、中野好夫の別荘で。

「ピジャマにガウンというくつろいだ姿のノーマンさんを中心にして……………」。

この場合の「ガウン」はたぶん、ドレッシング・グラスのことでしょうね。ほんとうにくつろいだ場面では、パジャマにガウンは、便利なものです。絹なのか、綿なのか、洒落たガウンの一枚は、ぜひ欲しいものではありませんか。
ガウンを羽織ってのウイスキーも様になるでしょう。

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