シリングとシェパード・チェック

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シリングは、英国の通貨の単位ですよね。sh ill ing と書いて「シリング」と訓みます。
1ポンドが、20シリング。20シリングが、240ペンスという計算になるんだそうです。
「シリング」の単位は、1504年にはじまっているんだとか。一説に、「チャリン」という音の響きから生まれた言葉ではないか、とも。
昔のシリング硬貨はシルヴァー製で、中央に十字の刻みがあって。この刻みを使って、半分にすることもできたんだそうですね。あるいはまた、半分の半分にも。まあ、便利なコインだったのでしょう。
「キングズ・シリングをもらう」。イギリスの慣用句にそんなのがありまして。これは、「軍人になる」の意味になるらしい。その時代には、若者が軍隊に入ると、宣誓してから、国王からの1シリングを頂く習慣があったらしいので。
英語の辞書で「シリング」を調べておりますと。ひとつ上の段に、「シレイラ」
sh ill el agh の言葉が出ています。この「シレイラ」は、アイルランドの「棍棒」の意味なんだとか。
その昔、アイルランド、ウィクローに、「シレイラ」という森があって。木がいっぱい生えていて。このシレイラ森の樫などで棍棒を作ることがあったので、後に「シレイラ」は棍棒の意味になったという。

シリングが出てくる小説に、『箱違い』があります。1889年の発表。著者は、ロバート・ルイス・スティーヴンソンと、ロイド・オズボーン。ロイド・オズボーンは、スティーヴンソンの義理の息子。

「サンドイッチとお茶と、ときに一杯のビール、年に十四ポンド十二シリングもあれば、誰でも、ロンドンで結構ぜいたくに暮らせるもんじゃ」

これは「ジョゼフ」という老人の科白として。もっとも今から140年くらい前の話ではありますがね。
この『箱ちがい』を読んでおりますと、こんな描写が出てきます。

「色褪せたシェパードチェックのフランネルシャツに、いわゆる混色織のツイードの上下、黒のネッカチーフを船員結びに締め……………。」

これは、マイケル・フィンズベリーの着こなし。ふだんはもっとドレスアップしているのですが。
シェパード・チェックは、「小弁慶格子」のこと。牧羊犬、シェパードの牙に似ているので、その名前があります。
どなたかシェパード・チェックのシャツを作って頂けませんでしょうか。

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