ダンスとダッフル・コート

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ダンスは、踊りのことですよね。たとえば、ラスト・ダンスとか。
ダンス・パーティーではいろんな人と踊るのが、楽しい。でも、最後のダンスを一緒に踊ってくれるのは、さらに嬉しいものであります。

🎶 あなたの好きな人と踊ってらしていいわ………

こんなふうにはじまって。

🎶 ラストダンス
  忘れないで

と、終わるのが、『ラストダンスは私に』ですね。
岩谷時子の訳詞。越路吹雪の歌唱。
原曲は、アメリカのヒット曲。元歌手の、ドク・ポーマスの作詞。もともとは彼が奥さんに対する想いを歌ったものだったという。
ドク・ポーマスは、病を得て、松葉杖が欠かせない。奥さんは、美しい舞台女優。ふたりでダンス・パーティーに。………そんなダンス・パーティーでのドク・ポーマスの心境が込められているのですね。

越路吹雪はなんとしても、シャンソンが唄いたかった。そのために、フランスのパリへ。1953年のことです。パリで越路吹雪を歓迎してくれたのが、「東和映画」の山田夫妻。
幸運だったのが、小林秀雄との出会い。小林秀雄や今日出海は、ちょうどエリザベス女王の戴冠式で、ヨオロッパに来ていたのです。
小林秀雄たちの薦めで、「マンチェスター・ホテル」に。ここで多くの文化人に紹介されたという。

ダンスが出てくるミステリに、『オデッサ・ファイル』があります。1972年に、イギリスの作家、フレデリック・フォーサイスが発表した長篇。

「ミラーの心をとらえたのは、彼女のダンスやからだではなく、この笑顔だった。」

「彼女」とは、マダム・コケット。私は、物語の主人公、ペーター・ミラー。ペーター・ミラーは、記者という設定になっています。
また、『オデッサ・ファイル』には、こんな描写も出てきます。

「………前合せがダブルになった、青いダッフルコートを着こんだ。」

もちろん、ペーター・ミラーが、服を着る場面として。
この場所は、ドイツ。ドイツ語では、「ジョッペ」joppe 。本来は「上着」の意味。
ダッフル duffel はもともとベルギーの地名。この地で古くから織られていた極厚のウール地のことだったのです。
どなたか極厚のウール地でダッフル・コートを仕立てて頂けませんでしょうか。

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